「ルビッチ・タッチのすべて」の一本。
1942年制作だが日本公開は1989年。それを見逃していて、ようやく今回。
映像、音声良好だがところどころコマが跳ぶ。
ひとこと、圧倒的な面白さだ。これは脚本が飛び切りよく出来ている。
ようやく観られたのは僥倖だが、これまでの我が不見識を恥じる。
1942年制作、で興味深いのは「強制収容所のエアハルト」なるナチの高官の登場。これはラインハルト・ハイドリヒがモデルと思われる。
1943年の「死刑執行人もまた死す」より一年早いがハイドリヒのような人物がアメリカ(ハリウッド)でその当時既に悪名高かったとうことだ。
強制収容所もその実際はいざ知らず、存在は把握されていたのであろう。
映画本編に話しを戻すと、これは時のナチスへの痛烈な批判(ヒトラーに命令されれば躊躇なく飛行機から飛び降りるブラックジョーク)の一方、「役者とは」というテーマが介在する。
「化ける事で自分が自分でなくなる」「台詞は役者の言い方一つで意味が変わる」。
こんな昔でもオーバーアクトの役者はバカにされていた。
古来言われる「女は生まれながらの女優」もまたここにて再確認。
舌を巻く巧さとはこのこと。傑作。
