映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

映画「道草キッチン」2025年11月公開  

「アンジェントルメン」監督ガイ・リッチー at Cinema KOBE

 

https://cinemakobe.jimdofree.com/

 

 

www.theministryofungentlemanlywarfare.movie

ガイ・リッチー監督は前作が「コヴェナント」(2024)。

mitts.hatenadiary.jp

間にNetflix作品があるとはいえ、戦争ものが続く。

が、前作とタッチをガラッと変えて、いやガイ・リッチー的には戻して、かも知れない「古き良き」第二次世界大戦モノ、冒頭からマカロニ調のタイトルロゴ、それだけではない、音楽が確信犯的モリコーネ調なのだ。

これはもうワクワクしてしまう、何せジェームズ・ボンドシリーズの生みの親イアン・フレミングが英国海軍の諜報部員として登場(この経歴は史実と合致)。

 無法者だが腕っぷしがめっぽう強い「特攻野郎」を寄せ集めて英国首相チャーチル(ロリー・キニア、全然似てない)の特命でドイツ海軍Uボートの補給路を断つというミッション・インポッシブル。イタリア国籍の補給船を追うチームと、ナチス内部に入り込むハニトラのマージェリー(エイザ・ゴンザレス)二手に分かれて作戦決行!というお話し。ストーリーもどこかクラシック。'60年代、'70年代はハリウッドもイギリスもこの手の王道戦争映画山ほどあった。

ナチス主催のパーティで歌い踊るマージェリーと変態将校(ティル・シュワイガー)の関係は「愛の嵐」('74)、秘密部隊チームの一員の袖にシルバーのコルト25が隠されていてシュッと出て来るのは「タクシー・ドライバー」('76)だろう。そんな映画オマージュ遊びも楽しい。全体に「イングリアス・バスターズ」(2009)の海洋版と言えなくもないが。

ドイツ側の兵士が悉く弱っちいのと、英国秘密部隊が追い詰められるとドイツ軍が何故かワンテンポ遅れて攻めきれず反撃に合うご都合主義は50年前ならいざ知らず、流石に今の時代ちょっとなと思ってしまう。

が、それにしても楽しかった嬉しかった、「ナバロンの要塞」('61)「特攻大作戦」('67)「コマンド戦略」('68)「オフサイド7」('79)‥‥「あの頃風味」の王道WWIIモノとして僕ら世代には堪らない贈り物となった。エンドロールも粋、ありがとうガイ・リッチー