「密告・者」は2011年か。
香港のアクション映画を観なくなって久しい。
習近平の弾圧で自由な創作が出来なくなった香港アクション映画界は衰退して行く。
二年前の「縁路はるばる」はアクション映画ではないが、社会体制に諦めを感じている若者達が描かれており、ものの見事に混沌と猥雑と熱気の香港は消し去られていた。
さて。そこで本作「トワイライト・ウォリアーズ」である。
迫力あるアクション映画は世界マーケットにおいて韓国にお株を奪われた。
中国でもその物量において出来ないことはない筈なのに表現の不自由によって封殺されている。
北京政府がどう指導転換したのかはいざ知らず「韓国に負けじ」と指針を定めたのではと想像する。無論ガラパゴス日本映画は対象外の外のほかである。
九龍城は存在していた時代にそこで劇映画を撮影することは不可能だったであろう、本作では再現セットを組んでいる。この物量はやはり現代中国ならではであろう。
見事という他ない。
三人のヤクザ義兄弟と、彼らが一線を引く悪道組織のボスとの戦いが描かれるのだが、香港映画のアクションの伝統芸健在だったのは素直に嬉しかった。
物理学を無視したワイヤーアクションもてんこ盛り、ただ善対悪の図式が拡散してしまっていてどっちでもええやん、の勝負となる。ゲーム感覚の戦いなのだ。それはともかく悪玉役サモ・ハンキンポー、73歳とは!敢闘賞だ。
ブルース・リーの哀しみ、ジャッキー・チェンやサモ・ハンキンポーの陽気とは違う、ゲームとしてのアクション。途中でお腹いっぱいになって飽きてしまったのはこちらの鑑賞体力のせいか。
あと、1980年代のアイコンとして日活ロマンポルノのVHSだったり荻野目洋子や吉川晃司の歌だったりと日本のサブカルチャーが香港に入り込んでいる描写が楽しい。
そういえば「色情男女」('96)でも周防正行の事が語られていたのを思い出す。
ともあれ「やればまだ出来る」香港アクションに拍手。