映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「マインド・ゲーム」監督・湯浅政明 at シネリーブル神戸

観客3人。が、しかし、何だこりゃ!?の快作。舞台は大阪。
万博、パンチDEデート、竹の子、パラパラ、阪神大震災…'70年代以後の風景の連続に続いて、主人公・西くん(今田耕司)は、愛する彼女姉妹の営む焼き鳥屋で災難に巻き込まれ、「一旦死ぬ」。
が、神の思し召しであの世から戻った、いや戻ったつもりが「この世」ではない世界へ。
後は…言葉では説明出来ない、脈絡のない映像世界が延々続く。
一体、これは何なのだ、と思っていたらハタと気づいた。これは西くんの脳内妄想=ひきこもり的価値観であり、そこからの脱出による自己の解放を現しているのだ。
繰り返し出て来る母親の「牛乳飲みなさいよ」。一方姉妹の方はだらしない父親(坂田利夫)のイメージ…これは親離れのメタファーと見た。果たして彼等は「社会」へと復帰する。
しかしそこには果てしなく過酷で、決して止まることのない時間が「死ぬまで」続く。
観終わって頭の中がすっきりする…したのはボクだけか?大島渚監督「帰って来た
ヨッパライ」('68)がスパイス程度に影響している、かな。

マインド・ゲーム [DVD]

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