映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

映画

「すべてうまくいきますように」監督フランソワ・オゾン at kino cinema 神戸国際

https://www.imdb.com/title/tt12847812/?ref_=ext_shr_lnk 多作のフランソワ・オゾン監督最新作。チェックしてみると2013年の「危険なプロット」から10年、サボって観ていなかった。 mitts.hatenadiary.jp さて、冒頭はフィックスのカッチリした画面の奥、…

「ヒトラーのための虐殺会議」監督マッティ・ゲショネック at シネリーブル神戸

www.constantin-film.de 1942年のヴァンゼー会議を描く映画はこれまでにも「謀議」(2001)というのがあった。監督が米国人でケネス・ブラナー、コリン・ファースという英国人名優が出演なので見応えはあるが如何せん言葉が英語なので迫真性が削がれている印象…

「イニシェリン島の精霊」監督マーティン・マクドナー at OSシネマズミント神戸

The Banshees of Inisherin | Searchlight Pictures 本年度オスカー9部門ノミネート。マクドナー監督は脚本も兼任、もともとは戯曲で、それをリライトしたとのこと。 イニシェリン島とは架空の島だが、アイルランドのアラン諸島の一部という設定らしい。 ア…

「ペルシャン・レッスン 戦場の教室」監督ヴァディム・バールマン at Bunkamura ル・シネマ

11.11 Fri.公開 映画『ペルシャン・レッスン 戦場の教室』公式サイト 2020年ロシア=ドイツ=ベラルーシ合作、ということは現在では戦争当事国と対立している国の合作。たった数年の時代の変遷は儚い。 1942年のベルギー(当時はナチス占領下)、殺される運命に…

「夢の裏側 夢的背後」監督マー・インリー at シネリーブル神戸

www.uplink.co.jp eiga.com 「シャドウ・プレイ」のメイキング・ドキュメンタリー。ロウ・イエ監督の妻が監督している。 我々がつくる日本映画より何十倍もバジェットが大きい「シャドウ・プレイ」だが現場のプロセスはさほど変わらない事がよく分かる。俳優…

「シャドウプレイ【完全版】」監督ロウ・イエ at シネリーブル梅田

www.uplink.co.jp www.nippon.com 2018年の作品、ロウ・イエ監督作としては横光利一が原作に名を連ねる次作「サタデー・フィクション」が既に完成しているが、前作「ブラインド・マッサージ」からは4年の間隔がある。 その間隔が「当局との戦い」の時間であ…

「ベイウォーク」監督・粂田剛 at 名古屋シネマテーク

atbaywalk.com 同じ監督による「なれのはて」(2021) の続編、というより元々は一本で5時間の作品だったのを分割制作したとのこと。 この映画を観る前夜に粂田監督と呑みながら色々話しを聞いた。前作ではフィリピンパブ嬢に絡む情欲の果てに堕ちて行った男達…

「パラレル・マザーズ」監督ペドロ・アルモダバル at 塚口サンサン劇場

Parallel Mothers | Sony Pictures Classics スペイン内戦時代の虐殺事件を洗い出す学者と、被害者のひ孫だというキャメラマン、ジャニス(ペネロペ・クルス)が程なくデキてしまうところから物語は始まる。 スペイン内戦 - Wikipedia 歴史記憶法という言葉が…

「RRR」監督S・ラージャ・マウリ at 109シネマズHAT神戸

twitter.com https://www.imdb.com/title/tt8178634/?ref_=fn_tt_tt_1 3時間7分、過活動膀胱の身としては覚悟して望まなければならなかった。何と90分くらいでちゃんとIntervalのクレジットが出るが、我が国ではぶっ通す。仕方なく途中退場して素早く戻る事…

「モリコーネ 映画が恋した音楽家」監督ジュゼッペ・トルナトーレ at シネリーブル神戸

https://www.imdb.com/title/tt3031654/?ref_=nv_sr_srsg_0 私は映画音楽の金字塔、最高傑作は"The Good,The Bad,And The Ugly"即ち「続・夕陽のガンマン」('66)だと信じて疑わない。今でも三日に一回はテーマ曲を聴くほど愛してやまない。 2004年モリコーネ…

「非常宣言」監督ハン・ジェリム at キノシネマ神戸国際

映画『非常宣言』オフィシャルサイト ソウルの国際空港が幕開け。 不審な言動、行動の男(イム・シワン)はトイレで自ら外科手術を行い体内に金属カプセルを仕掛ける。ホノルルに向かう国際線に乗ろうとする人々の点描があり、カプセルの男は出発直前のホノル…

「ケイコ 目を澄ませて」監督・三宅唱 at シネリーブル神戸

映画『ケイコ 目を澄ませて』公式サイト ショーン・ペンの新作に続いて、こちらも16㎜での撮影による映画。 ペンが記憶装置としてのフィルムのざらつきを選んだのに対して、本作は画角もスタンダード、確信的に映画そのものの原点回帰を目指している。まして…

「フラッグ・デイ 父を想う日」監督ショーン・ペン at シネリーブル神戸

https://www.imdb.com/title/tt2304637/?ref_=ext_shr_lnk ショーン・ペン監督作品は肌に合うというか、アメリカン・ニューシネマのテイストと時に情緒過多な感傷が心地良い。が、前作「ラスト・フェイス」(2016)は未見。 今作「フラッグ・デイ」は初めての…

「涙をありがとう」監督・森永健次郎 at 神戸映画資料館

トップページ - 神戸映画資料館 www.nikkatsu.com 新長田映画講座「神戸の映画 懐かしの風景vol.1」の一環。 1965年日活。ニュープリントで画質は良好。 先般観た同じく神戸ロケの日活映画「青春の風」が1968年。 mitts.hatenadiary.jp 「涙をありがとう」は…

「ある男」監督・石川慶 at 大阪ステーションシネマ

映画『ある男』公式サイト | 11月18日(金)全国ロードショー 平野啓一郎の原作は未読。 絵画に向き合う男の後ろ姿から始まり、田舎の文具店で店番をする女性(安藤サクラ)の涙から物語は始まる。そこへやって来る男(窪田正孝)が絵の具を買い求め、二人は出会う…

「土を喰らう十二ヵ月」監督・中江裕司 at キノシネマ神戸国際

tsuchiwokurau12.jp 映画化作品も多い水上勉のエッセイが原案とのこと。あらためて水上勉を検索してみると 水上勉 - Wikipedia 夥しい数の著作が並ぶ。このwikiが正しければ、心筋梗塞で死生を彷徨った時期と、長野県の山村に移り住んだ時期が本作とは違って…

「ザ・メニュー」監督マーク・マイロッド at OSシネマズミント神戸

www.youtube.com どこかの船着場へと向かう数組の大人たち。その会話から極上の料理にありつけるツアーだと分かる。船着場には今ではあまり見かけないであろうひと昔もふた昔も前のメイクと出立ちの中国人女性が招待状をチェックしている。 絵に描いたような…

「LOVE LIFE」監督・深田晃司 at シネ・ヌーヴォX

映画「LOVE LIFE」公式サイト 日本のどこにでもありそうな団地の風景。 棟を囲むように位置する運動場なのか憩いのスペースなのか、空き地で文字の書いたカードを持って「おめでとう」という言葉を掲げる練習をしている人々。団地の中、その光景が見下ろせる…

「青春の風」監督・西村昭五郎 at 宝塚シネ・ピピア

www.nikkatsu.com 宝塚映画祭最終日のプログラム、1968年日活作品。 ニュープリントで画質は頗る綺麗。吉永小百合のニキビまでくっきり。 小百合、和泉雅子、山本陽子(全員東京出身だ、関西弁は合格の域)の神戸の短大同級生の卒業後の人生。 和泉雅子の兄で…

「女優時代」監督・大森一樹 at 宝塚シネ・ピピア

www.takarazukaeigasai.com これから#女優時代 みる#大森一樹 pic.twitter.com/YSMWsPrxtS— 白羽弥仁 (@makemydmitts11) 2022年11月20日 図らずも大森一樹監督追悼上映となってしまった宝塚映画祭のプログラムの一本。 1988年読賣テレビ制作のテレフューチャ…

「ミューズは溺れない」監督・淺雄望 at シネ・ヌーヴォX

映画『ミューズは溺れない』 (@musehaoborenai) / Twitter 海に面した町、高校の美術の授業から始まる。 校外写生、スケッチをしている高校生の人間関係の始まりが視線とその距離だけで表現される緊張感。一人の生徒が不意に海に突き飛ばされる事で物語が動…

「やまぶき」監督・山﨑樹一郎 at 元町映画館

映画『やまぶき』山﨑樹一郎監督最新作 エドワード・ヤンの「恐怖分子」(’86)だ、と本編が始まってからずっとあの映画を想起してみていた。一見関係のない人間関係がある偶然によって繋がって行く。 正社員に、と吉報を貰った砕石工場職員チャンス(カン・ユ…

「犯罪都市 THE ROUNDUP」監督イ・サンヨン at OSシネマズミント神戸

www.imdb.com 「犯罪都市」(2017)を観てこれは続編出来るなと予想したら案の定完成。 「犯罪都市」監督カン・ユンソン at シネマート心斎橋 - 映画和日乗 凶悪極悪犯罪者を叩きのめす我らがドンソク兄さんという構図は変わらない。 腕っぷしは最強だが笑顔と…

「夜明けまでバス停で」監督・高橋伴明 at kino cinema 神戸国際

映画「夜明けまでバス停で」監督:高橋伴明×主演:板谷由夏 観ている途中から板谷由夏の横顔が桃井かおりそっくりに見えて仕方がなかった。 そういえば若松孝二監督の映画で桃井かおりでホームレスが絡む話‥‥「われに撃つ用意あり」('90)か。 あの頃映画 松竹D…

「川っぺりムコリッタ」監督・荻上直子 at 角川シネマ有楽町

映画『川っぺりムコリッタ』|2022年9月16日(金)全国ロードショー 川っぺりの土手に堆く積まれた廃棄された電話の数々が現れて、そうか、あれかと。 そういえばムロツヨシ演じる野菜を作っている男の発達障害をうかがわせる行動、そして真夏に黒いスーツを…

「海でなくてどこに」監督・大澤未来 at 神戸映画資料館

神戸映像アーカイブ実行委員会 神戸発掘映画祭2022のプログラムの一本。 初上映ということでワールド・プレミア。 映像作品「海でなくてどこに」 – Marylka Project 杉原ビザによってリトアニアからシベリア経由で日本の福井県敦賀市に到着したユダヤ人難民…

「秘密の森の、その向こう」監督セリーヌ・シアマ at シネリーブル神戸

www.imdb.com 素晴らしい傑作「燃ゆる女の肖像」(2019)の監督セリーヌ・シアマ最新作。 原題はPetite Maman、英語ではLittle Mama。 冒頭、年老いた女性のアップ、クロスワードパズルに興じていると思いきや、パズルを解いているのは老女の手元にいる少女の…

「ヘルドッグス」監督・原田眞人 at 109シネマズHAT神戸

www.helldogs.jp 畏兄原田眞人監督最新作。 既にこの次の作品が仕上がっていて、その撮影現場には顔を出させて貰った。本作を観て思うのは、私より15歳年上の原田さん、何でこんなに元気なんだろ、ということだ。 原作は深町秋生の同名小説。 ヘルドッグス …

「彼女のいない部屋」監督マチュー・アマルリック at シネリーブル神戸

www.imdb.com 俳優としてのアマルリックは知性と茶目っ気が同居しているような魅力があり、ずっとご贔屓なのだが、本作は監督としての長編6作目。原作は戯曲だそうで、脚本はアマルリックが兼任している。 原題は英訳で"Hold Me Tight"、私を抱きしめて、だ…

「ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言」監督ルーク・ホランド at シネリーブル神戸

www.focusfeatures.com 監督のルーク・ホランドは本作の完成後2020年に死去。IMDbのデータベースによると一貫してナチスの過去を追う作品がフィルモグラフィに並ぶ。 9時間余の気の遠くなる程の労作「ショアー」(1997)の中に、強制収容所の看守が、大量殺戮…