映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

映画

「トノバン 音楽家加藤和彦とその時代」監督・相原裕美 at TOHOシネマズ西宮OS

音楽ドキュメンタリー映画『トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代』 主に加藤和彦の関係者のインタビューで綴る。 知っていたこともあり、知らなかったこともあり。 高中正義が加藤本人から教わったという「帰ってきたヨッパライ」のギターコードの解説が可笑…

「オールド・フォックス 11歳の選択」監督・蕭雅全 at 109シネマズHAT神戸

mingmei2046.hatenablog.com 日本語字幕翻訳の人の名前がプロデューサーとしても名を連ねている。門脇麦が出ている事と関係しているのかも知れない。想像だが、日本でのセールスを念頭に入れての事であろう。 1989年から1990年の台湾が舞台。 1987年に戒厳令…

「青春18×2 君へと続く道」監督・藤井道人 at TOHOシネマズ西宮OS

映画『青春18×2 君へと続く道』公式サイト 台南が舞台とあらば観ない訳にはいかず、ようやくタイミングが合って観ることが出来た。平日火曜の昼の回、客は入っている。 てっきり青春18きっぷの意味かと思っていたら、18歳から18年という意味らしい。 陳腐な…

「バティモン5 望まれざる者」監督ラジ・リ at 新宿武蔵野館

unifrance.jp 監督のラジ・リはマリ出身。マリは旧フランス領だが、国民の90%がイスラム教徒だとのこと。その事はこの映画に深く影響を与えている。 冒頭、エレベーターの無い団地の一室から柩が運び出される。担いでいるのはアフリカ系の移民たちである。 …

「日本殉情伝 おかしなふたり ものくるほしきひとびとの群」監督・大林宣彦 at シネマヴェーラ渋谷

日本殉情伝 おかしなふたり ものくるほしきひとびとの群 デラックス版 [DVD] 三浦友和 Amazon 1988年の作品。ヴェーラの「大井町武蔵野館になってみた!」プログラムの一本。 フィルム上映。劣化はそれほどでもない、アグファフィルム特有の赤味も残っている…

「悪は存在しない」監督・濱口竜介 at 第七藝術劇場

「悪は存在しない」を観ました

「パスト ライブス/再会」監督セリーヌ・ソン at OSシネマズミント神戸

www.primevideo.com 黒地に白抜きのタイトル、PASTとLIVESの間が異様に長く空いている。 過去と今、過ぎ去りし日と今日。この間に流れる時間を表したであろうタイトル、そしてNYのバーから始まりすぐに24年前のソウルへと時間が遡る。 フィルムだろうか、と…

「ゴッドランド」監督フリーヌル・パルマソン at シネリーブル神戸

GODLAND – New Europe Film Sales キネマ旬報が月刊化されてから映画鑑賞の手引きの役割が大幅に薄れてしまった。 こういう、接する機会の少ない北欧圏の国の時代劇映画にはある程度手引きが要る場合がある。 なので本作を観終わって久しぶりにパンフレット…

「オッペンハイマー」監督クリストファー・ノーラン at TOHOシネマズ西宮OS

www.oppenheimermovie.com IMAXスクリーンで鑑賞。 180分観終わって一体どこから切り込んで書き残そうかと考えたところで「まだ一度観ただけでしょう」とノーラン監督がほくそ笑んでいるかのような重曹的で多面的な第一級の作品だ。 少し前までは最新の映像…

「青春の反抗」監督スー・イーシュエン at Cinema KOBE

映画『青春の反抗』オフィシャルサイト LINE UP - Cinema KOBE シネマ神戸 Official Site 1993年の台北での学生運動を描く。 中国語の原題は「青春並不溫柔」、青春は優しくないと言ったところか。 一方英語のタイトルは"Who'll Stop The Rain"でこれはCCRの…

「ビニールハウス」監督イ・ソンヒ at シネリーブル神戸

映画『ビニールハウス』公式サイト 原題訳ではグリーンハウスで、どうやらビニールハウスは和製英語のようだ。 田園に立つ一つの黒いビニールハウスの全景がオープニング。 一つ、というのが異様でコンテンポラリーアートのような象徴性を帯びる。 住宅問題…

「落下の解剖学」監督ジュスティーヌ・トリエ at TOHOシネマズ梅田

映画『落下の解剖学』公式サイト 昨年のカンヌパルムドール。 フランス、グルノーブルの山小屋風の邸宅が舞台。 グルノーブルといえばルルーシュ「白い恋人たち」('68)。 13 jours en France (Orchestre) フランシス・レイ サウンドトラック ¥153 provided c…

「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」監督・井上淳一 at シネリーブル神戸

www.wakamatsukoji.org サブタイトルが「止められるか、俺たちを」の2となっている。近年、続編のタイトルに番号を付けるのは忌避される傾向にある。1を観ていない人が食い付いてこないからだ。昔は1がヒットして2、3、と続くのが恒例だったが、今の客は己の…

「犯罪都市 NO WAY OUT」監督イ・サンヨン at kino cinema神戸国際

【公式】映画『犯罪都市 NO WAY OUT』オフィシャルサイト 早くもシリーズ三作目、ひと昔前、いやふた昔前ならジャッキー・チェンのお正月映画のような位置に収まりそうな勢い。 設定が前作から七年後、とのことだが風景も風俗も特に気を配っている風でもなく…

「ゴールド・ボーイ」監督・金子修介 at 109シネマズHAT神戸

映画『ゴールド・ボーイ』公式サイト 原作は中国のものらしく、本国版の配信ドラマもあるらしい。 翻案版の舞台は沖縄、コザ。米軍機のジェット音がオープニングで金子監督の映画的センスがキラリ。 小学生の投資詐欺やら中学生の美人局のニュースが飛び込む…

「コヴェナント/約束の救出」監督ガイ・リッチー at kino cinema 新宿

映画『コヴェナント/約束の救出』公式サイト - 2024年2月23日公開 ポスターにも本編のアバンタイトルにもエントロールにもやたらと"Guy Ritchie's"と出て来るのには些か辟易する。その自己顕示欲過多が「実話の映画化」の真実味を薄めているように見えてな…

「夜明けのすべて」監督・三宅唱 at TOHOシネマズ西宮OS

yoakenosubete-movie.asmik-ace.co.jp 「ケイコ 目を澄ませて」(2022)が良かった三宅唱監督の最新作。 原作は瀬尾まいこ(未読)。 前作と同じ16㎜撮影(撮影:月永雄太)で、極力フィックスだが絶妙なタイミングで動き出す。嫌な画は一つもない品の良さ。嫌な、…

「スケアクロウ」監督ジェリー・シャッツバーグ at TOHOシネマズ西宮OS

asa10.eiga.com 昨年、「午前十時時の映画祭」のラインナップが発表された時、これは観なければと決めていた。 学生時代しばしば名画座にかかっていたのに何故か見逃している名作が何本かある。 映画は常に一期一会である。 シャッツバーグはリアルタイムで…

「哀れなるものたち」監督ヨルゴス・ランティモス at OSシネマズ神戸ハーバーランド

哀れなるものたち | Searchlight Pictures Japan www.youtube.com この「哀れなるものたち」のPR動画、何度も見てしまう。 世代的にとても幸せな気分になれるからだ。 最近、これは観たいと思う映画が減った。 アメリカ映画の幼稚化は末期的だし、今に始まっ…

「サンセバスチャンへ、ようこそ」監督ウディ・アレン at シネリーブル神戸

映画『サン・セバスチャンへ、ようこそ』オフィシャルサイト ウディ・アレンの映画でどれが好きか、と問われると「アニー・ホール」('77)と「マンハッタン」('79)が同率首位だ。今でも繰り返し観る。 その「マンハッタン」でダイアン・キートンの元カレ役で…

「ビヨンド・ユートピア 脱北」監督マドレーヌ・ギャヴィン at シネリーブル神戸

transformer.co.jp 本作でも北朝鮮の現体制と比較されるナチス・ドイツの強制収容所は当時の欧米諸国に早くからその存在を知らされていたにも拘らず、結局ナチスが瓦解するまで連合軍による解放はなかった。 北朝鮮もまた悍ましい人権侵害が世界の周知となっ…

「笑いのカイブツ」監督・滝本憲吾 at テアトル新宿

映画『笑いのカイブツ』公式サイト 滝本憲吾監督劇映画デビュー作。 原作あり↓ 笑いのカイブツ (文春文庫) 作者:ツチヤ タカユキ 文藝春秋 Amazon 本作に登場するベーコンズという漫才コンビはオードリーがモデルらしい。 これが本人↓ www.excite.co.jp 本作…

「枯れ葉」監督アキ・カウリスマキ at 元町映画館

映画『枯れ葉』公式サイト 35mmフィルム撮影。曇天のヘルシンキ、男と女。相変わらずのぶっきらぼうで無愛想、棒読みの台詞とカウリスマキ・スタイルは頑迷だ。 勿論その色使い(赤、黄色、緑)も含めて小津由来である。これは先のヴェンダース「PERFECT DAYS…

「PERFECT DAYS」監督ヴィム・ヴェンダース at シネリーブル神戸

www.perfectdays-movie.jp スタンダードの画角が認識されると同時に、居住まいを正す想いに至る。 小津安二郎の映画の中に「反復とずれ」を発見したのは吉田喜重監督だった。本作は主人公、平山(役所広司)の日常の反復から始まる。 前時代的な古いアパートか…

「ポトフ 美食家と料理人」監督トラン・アン・ユン at シネリーブル神戸

www.youtube.com 驚くほどシンプルなストーリーだが料理で愛を伝える、というテーマに特化していて見どころは料理人達が料理をする手つきなのである。 原作があるそうで、原題"La passion de Dodin Bouffant"とは登場人物ドダン・ブファンの情熱。フランス語…

「首」監督・北野武 at 大阪ステーションシネマ

www.festival-cannes.com 息の長い映画監督は、その年齢によって境地というものが変化し、表現に影響する。 あれほどの活劇をつくった黒澤明が「乱」('85)で彼岸の境地へと至ったように。 北野武という説明を嫌ってショットにこだわり、オーヴァーアクトを排…

「ナポレオン」監督リドリー・スコット at TOHOシネマズ新宿

www.napoleon.movie IMAXレーザーでの鑑賞。 「ナポレオン」の映画化といえばスタンリー・キューブリックの果たせなかった夢。 www.cinematoday.jp さて21世紀、Apple TVの巨額の制作費を得て完成させたのは英国人リドリー・スコット。 キューブリックが「バ…

「ゴジラ-1.0」監督・山崎貴 at OSシネマズミント神戸

godzilla-movie2023.toho.co.jp 監督山崎貴は脚本も兼任、という事はストーリーも編み出したということになる。 元祖「ゴジラ」は1954年公開、水爆実験によって覚醒させられたという戦後の文明批判が込められていたが、本作は戦争末期の1945年に端を発する。…

「花腐し」監督・荒井晴彦 at テアトル新宿

映画『花腐し』公式サイト|11月10日(金)テアトル新宿ほか全国公開 東映ならぬ東映ビデオのあっさりした三角マークで始まったかと思うとその東映のお馴染み海岸の波飛沫ロゴタイトルと見紛う風景へとパンダウンする、そして波打ち際の心中死体。ビデオの時…

「SISU 不死身の男」監督ヤルマリ・ヘランダー at TOHOシネマズ西宮OS

www.youtube.com 91分なのに6つの章に分けられていて、本作を観終わると分ける必要は特になかったと思い至るのだが、タイトルも含めあのロゴデザインを出したかったからだろう。 ロゴがマカロニウェスタン調なのだ。 もうあのロゴを見ただけでこの監督ヤルマ…