映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

映画

「アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方」監督アリ・アッバシ at TOHOシネマズ西宮OS

www.trump-movie.jp www.theapprenticemovie.com 映画が始まってから監督がアリ・アッバシと知る。「ボーダー 二つの世界」(2018)、「聖地には蜘蛛が巣を張る」(2022)の人、こりゃクセ強いぞと期待高まる。因みに彼はイラン人である。 1974年のニクソン大統…

「I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ」監督チャンドラー・レヴァック at シネリーブル神戸

映画『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』公式サイト カナダ出身のレヴァック監督はこれが長編デビュー作。 経歴を読むとどうやらこのストーリーはご自分の事なのではと想像する。主人公は男の子ローレンス(アイザイア・レティネン)だが女子(レヴァッ…

「お坊さまと鉄砲」監督パオ・チョニン・ドルジ at テアトル梅田

「お坊さまと鉄砲」公式サイト 12/13(金)ROADSHOW ドルジ監督の前作「ブータン 山の教室」(2019)は未見。 どこかの国の政治家が「国民は飢えなければ革命は起きない」と言ったが、本作はブータンという王政国家で飢える事なく「私は幸福である」と自認する人…

「オン・ザ・ロード 〜不屈の男、金大中〜」監督ミン・ファンギ at 元町映画館

www.sumomo-inc.com 1973年の金大中拉致事件はその報道映像によってはっきりと記憶にある。勿論阪本順治監督「KT」(2002)は観ているし、脚本改竄に抗議した脚本家荒井晴彦のオリジナル版も読んでいる。 本作を観るにあたって俄然その部分の描写に興味があっ…

「市民捜査官ドッキ」監督パク・ヨンジュ at シネリーブル神戸

klockworx.com 2016年に韓国で起きた振り込め詐欺事件をモチーフに描いている。伏線回収が見事にキマっている脚本なので実話ベースのフィクションと見た方が良さそうだ。 それにしてもいつも思うことだが、韓国映画に登場するお母ちゃんはたいてい孟母で、刑…

「チャイナタウン」監督ロマン・ポランスキー at OSシネマズハーバーランド神戸

午前十時の映画祭14 デジタルで甦る永遠の名作 封切りで観たい映画が見当たらない。邦画はどれもこれも貧乏臭く華がない。若手は半径10メートルの世界しか描けない。 洋画の新作が極端に少ない。マーベルは興味がない。ガラパゴス民度、イーストウッドの最新…

「ルート29」監督・森井勇佑 at TOHOシネマズ西宮OS

route29-movie.com 「こちらあみ子」(2022)の森井勇佑監督の第二作。 私が監督協会の新人賞選考委員を務めた時、「この監督は放っておいても次回作のオファーがある」との意見が出て一票差で別の監督が受賞した。私が推したのはその別の監督、山﨑樹一郎氏の…

「五香宮の猫」監督・想田和弘 at シアター・イメージフォーラム

gokogu-cats.jp ランキング参加中邦画 Zincで「道草キッチン」編集打ち合わせ。 品川駅よりのぞみ57号で帰神。 兵庫県ランキング

「国境ナイトクルージング」監督アンソニー・チェン at シネリーブル神戸

电影燃冬的微博_微博 映画『国境ナイトクルージング』公式サイト 中国語の原題は「燃冬」、英語タイトルは「The Breaking Ice」と微妙に意味合いが違うが邦題は表層的。 監督はシンガポール人で中国とシンガポールの合作。 見たことのない冬景色が続く。そこ…

「顔さんの仕事」監督・今関あきよし at シアターセブン

顔さんの仕事 | 株式会社ミカタ・エンタテインメント 私の2017年の作品「ママ、ごはんまだ?」は台南市から助成金が出ていて、ロケでは大変お世話になった。当時の市長、賴清德氏は現台湾総統である。 なので、台南市には格別の思い入れがあり、畏兄今関あき…

「2度めのはなればなれ」監督オリバー・パーカー at OSシネマズミント神戸

hanarebanare.com マイケル・ケイン見たさに予備知識なしに劇場へ。 原題が"The Great Escaper"と知りニヤリ。名作「大脱走」('63)の原題は"The Great Escape"。シャレの効いたタイトルだ。 開巻、どこかの海辺を歩く老夫婦の後ろにD-DAY70周年の横断幕が。…

「侍タイムスリッパー」監督・安田淳一 at kino cinema神戸国際

www.samutai.net 「道草キッチン」撮影休日で一瞬神戸に戻って、評判のこの映画へ。 平日水曜、驚愕の満員。普段映画館に来ない人が多々と見受けられ、LINEのピコピコ着信音が鳴りまくり。 高見からモノ申すつもりは毛頭ないものの、編集でもう少し切れると…

「ぼくのお日さま」監督・奥山大史 at シネリーブル神戸

bokunoohisama.com 16㎜、スタンダード。北海道なのか東北なのか、場所はアノニマス。周到にそれを消す。スケートコーチの荒川(池松壮亮)の使う携帯はガラケー、旧型ボルボのステーションワゴンに乗っている。時代も消されている。 映画冒頭に話しを戻すと、…

「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリデイ」監督アレクサンダー・ペイン at 塚口サンサン劇場

The Holdovers - Official Site - Miramax 『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』公式サイト どうしても「サイドウェイ」の、と枕詞が付いてしまうアレクサンダー・ペイン監督がその「サイドウェイ」(2004)でモテないおっさんを演じたポール・ジア…

「ボレロ 永遠の旋律」監督アンヌ・フォンテーヌ at シネリーブル神戸

映画『ボレロ 永遠の旋律』公式サイト 言わずと知れた「ボレロ」を作曲したラヴェルの物語。 監督のアンヌ・フォンテーヌは「夜明けの祈り」(2016)という傑作がある。 mitts.hatenadiary.jp 映画的センスは「夜明けの祈り」で充分堪能したが、本作でも映像デ…

「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」監督グレッグ・バーランティ at TOHOシネマズ西宮OS

Buy Fly Me to the Moon Movie Tickets | Official Website | Sony Pictures "Fly Me To The Moon"とはもともとフランク・シナトラの歌のタイトル。 Fly Me To The Moon (feat. カウント・ベイシー&ヒズ・オーケストラ) フランク・シナトラ ジャズ ¥255 prov…

「フェラーリ」監督マイケル・マン at 109シネマズHAT神戸

www.ferrari-film.com エンドロールの事から先に書くのも何だが、夥しい数のEx.プロデューサーの名前が並ぶ。主演のアダム・ドライヴァーの名前もあるし、彼らプロデューサー達がまた名だたる監督達に"Special Thanks"の敬意を払うクレジットが続く。 シドニ…

「ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命」監督ジェームズ・ホーズ at kino cinema神戸国際

映画『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』公式サイト 英国BBC製作。 私はこの映画のラストに出て来るテレビ番組をかなり前にYouTubeで見ていて、映画化したら良いだろうな、とずっと思っていた。今でも見られる。 www.youtube.com www.youtube.com 監督のジェ…

「トノバン 音楽家加藤和彦とその時代」監督・相原裕美 at TOHOシネマズ西宮OS

音楽ドキュメンタリー映画『トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代』 主に加藤和彦の関係者のインタビューで綴る。 知っていたこともあり、知らなかったこともあり。 高中正義が加藤本人から教わったという「帰ってきたヨッパライ」のギターコードの解説が可笑…

「オールド・フォックス 11歳の選択」監督・蕭雅全 at 109シネマズHAT神戸

mingmei2046.hatenablog.com 日本語字幕翻訳の人の名前がプロデューサーとしても名を連ねている。門脇麦が出ている事と関係しているのかも知れない。想像だが、日本でのセールスを念頭に入れての事であろう。 1989年から1990年の台湾が舞台。 1987年に戒厳令…

「青春18×2 君へと続く道」監督・藤井道人 at TOHOシネマズ西宮OS

映画『青春18×2 君へと続く道』公式サイト 台南が舞台とあらば観ない訳にはいかず、ようやくタイミングが合って観ることが出来た。平日火曜の昼の回、客は入っている。 てっきり青春18きっぷの意味かと思っていたら、18歳から18年という意味らしい。 陳腐な…

「バティモン5 望まれざる者」監督ラジ・リ at 新宿武蔵野館

unifrance.jp 監督のラジ・リはマリ出身。マリは旧フランス領だが、国民の90%がイスラム教徒だとのこと。その事はこの映画に深く影響を与えている。 冒頭、エレベーターの無い団地の一室から柩が運び出される。担いでいるのはアフリカ系の移民たちである。 …

「日本殉情伝 おかしなふたり ものくるほしきひとびとの群」監督・大林宣彦 at シネマヴェーラ渋谷

日本殉情伝 おかしなふたり ものくるほしきひとびとの群 デラックス版 [DVD] 三浦友和 Amazon 1988年の作品。ヴェーラの「大井町武蔵野館になってみた!」プログラムの一本。 フィルム上映。劣化はそれほどでもない、アグファフィルム特有の赤味も残っている…

「悪は存在しない」監督・濱口竜介 at 第七藝術劇場

「悪は存在しない」を観ました

「パスト ライブス/再会」監督セリーヌ・ソン at OSシネマズミント神戸

www.primevideo.com 黒地に白抜きのタイトル、PASTとLIVESの間が異様に長く空いている。 過去と今、過ぎ去りし日と今日。この間に流れる時間を表したであろうタイトル、そしてNYのバーから始まりすぐに24年前のソウルへと時間が遡る。 フィルムだろうか、と…

「ゴッドランド」監督フリーヌル・パルマソン at シネリーブル神戸

GODLAND – New Europe Film Sales キネマ旬報が月刊化されてから映画鑑賞の手引きの役割が大幅に薄れてしまった。 こういう、接する機会の少ない北欧圏の国の時代劇映画にはある程度手引きが要る場合がある。 なので本作を観終わって久しぶりにパンフレット…

「オッペンハイマー」監督クリストファー・ノーラン at TOHOシネマズ西宮OS

www.oppenheimermovie.com IMAXスクリーンで鑑賞。 180分観終わって一体どこから切り込んで書き残そうかと考えたところで「まだ一度観ただけでしょう」とノーラン監督がほくそ笑んでいるかのような重曹的で多面的な第一級の作品だ。 少し前までは最新の映像…

「青春の反抗」監督スー・イーシュエン at Cinema KOBE

映画『青春の反抗』オフィシャルサイト LINE UP - Cinema KOBE シネマ神戸 Official Site 1993年の台北での学生運動を描く。 中国語の原題は「青春並不溫柔」、青春は優しくないと言ったところか。 一方英語のタイトルは"Who'll Stop The Rain"でこれはCCRの…

「ビニールハウス」監督イ・ソンヒ at シネリーブル神戸

映画『ビニールハウス』公式サイト 原題訳ではグリーンハウスで、どうやらビニールハウスは和製英語のようだ。 田園に立つ一つの黒いビニールハウスの全景がオープニング。 一つ、というのが異様でコンテンポラリーアートのような象徴性を帯びる。 住宅問題…

「落下の解剖学」監督ジュスティーヌ・トリエ at TOHOシネマズ梅田

映画『落下の解剖学』公式サイト 昨年のカンヌパルムドール。 フランス、グルノーブルの山小屋風の邸宅が舞台。 グルノーブルといえばルルーシュ「白い恋人たち」('68)。 13 jours en France (Orchestre) フランシス・レイ サウンドトラック ¥153 provided c…