映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「シング・ストリート 未来へのうた」監督ジョン・カーニー at シネリーブル神戸

1985のアイルランド、ダブリンが舞台。
高校生達のバンド結成の経緯は、同じダブリンが舞台の「ザ・コミットメンツ」('91)とそっくりだ。ローディとして粗暴な輩(それは彼が不幸な境遇故なのだが)をメンバーに加えるくだりまで似ているところを見ると、これがダブリンのよくあるバンド物語なのだろう。そういえば「ザ・コミットメンツ」でもバンドだらけだった。
さて、そのダブリン出身、ジョン・カーニー監督の自伝的要素が強いと見た。もういちいち共感してしまう恋とポップスのディティール、彼のこれまでのフィルモグラフィーから言わずもがな音楽センスは当代一だろう。
主人公の兄、かつてはロックンローラーを夢見ていた兄、スコットランドまで50km、船出する弟とモデル志望のガールフレンドを見送るその兄の表情に涙腺決壊。人生の船出、という比喩的な言葉をそのまま、本当に小舟で旅立つという画で見せるということは何と映画的なのだろう。荒波、立ちはだかる大きな船。彼らの行く末を暗示させつつ、それでもその夢みる瞳は、映画を見終わってもしばらくは幸せな気分でいられる力強さだった。
傑作、お勧め、必見。



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