映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「ブラインドマッサージ」監督ロウ・イエ at 新宿K's Cinema

南京の盲人マッサージ師による整体院が舞台。
交通事故で失明する少年から物語は始まり、その彼が長じて衝動的な自殺未遂を引き起こすという映画開巻からただならぬ緊張感を強いられる。それほど起伏のあるストーリーはない。登場する盲目のマッサージ師の家族と恋愛模様が描かれるが、いくつかの哲学的な問いかけに慄然とする。美人、という概念がわからない、ひいては美という概念がわからないと言う一人。では、彼らは何を基準に人を愛するのか。または彼らの愛が真実で目の見えている人の愛は、愛とは違う何か、なのか。この登場人物の問いが観客の我々に愛とは何かを突きつける。
また、ロウ・イエ監督は盲人の視覚の映像化に挑んでいる。それが本当にそんな風に見えているのかどうかは別として、観客に見たことのない盲人の世界、を提示する。これは衝撃的な新しさである。
健常者との抜き差し難い隔絶、しかしそれでも微かな愛を指し示すラストに深く感動した。
傑作、お勧め。


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渋谷区内某所で高瀬博行Pと打ち合わせ。