映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

丹波篠山市今田町今田3「ゆる里」

konda-gourmet.tanba-sasayama.com

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#おろしそば

2006年以来。美味端麗。

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神戸市中央区三宮町1「SAVOY」

savoy_1

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#curry #応援してます #nocurrynolife


 

「悪人伝」監督イ・ウォンテ at 神戸国際松竹

klockworx-asia.com 英語タイトルがエンドクレジットに出て来るが"The Gangstar,The Cop,The Devil"でヤクザと刑事と悪魔。ヤクザ=チャン・ドンスを演じるマ・ドンソクありきの企画であることは自明。観客はいつドンソク兄貴の殺人張り手が炸裂するか、期待ムンムンで見守るのだ。

 ソウル。違法ゲーム賭博がシノギのチャン・ドンス組長、他組織との縄張り争いにも強気、絡んで来た輩の歯を素手でへし折る。もうお約束の怪力アピール。しかしその帰路素人の連続殺人犯に襲われる不覚。勿論ドンソク兄貴は二、三回ナイフで刺されたくらいでは死なない。メンツ商売故、敵対組織ではなく通り魔にやられたとあっては名が廃る、と直情経口気味のソウル市警のチョン・テソク刑事(キム・ムヨル)と手を組んで犯人を探す。

 2005年という設定だが相変わらず韓国映画に登場する警察は間抜け。テソク刑事の上司はドンス組長から金を貰っていて暴力団絡みの事件には消極的。ブツブツ文句を垂れている間に暴力団の方が警察よりも先に犯人の遺留品を回収する始末。

 無差別殺人は被害者が続出、無能扱いされた市警にFBIのような上部組織が捜査介入。関係がよく分からない綺麗な鑑識官おねえさんの手助けで遂に犯人の尻尾を掴んだ刑事は市警ではなく暴力団と手を組んでのローラー作戦。そこへドンス組長を恨む歯をへし折られたアイツが殴り込んできて、ドンソク兄貴の張り手が炸裂! そして刑事とヤクザが一体感に浸って宴会を開いているその時、宴会場のテレビに映ったニュースは‥


 傑作「犯罪都市」(2017)に比べると痛さ控えめの分テンポも落ちる。勿論製作費が一桁違う貧しい日本映画に比べればお腹いっぱい楽しめる娯楽映画にはなっている。ドンソク兄貴の魅力も遺憾無く発揮されている。

 が、犯人が孤児院育ちで家族を愛する市井の人間を恨む、というのは動機づけとしては弱い。演じるキム・ソンギュもスマートな感じでコンプレックスが見えない。

   蛇足だが観ている間じゅう誰かに似てると思っていたが観終わって気がついた、真木ひでとだ。若い人は知らんだろう。

www.wowkorea.jp
ラストは大問題だろう。ネタバレになるから詳細は書かないが「この方が面白い」のは分かる。思わず笑ってしまった。でもいち刑事にあの権限はないたろう、むしろ組長の方が金使って‥いやここまでにしておこう。

そんな目くじらを立てなければ痛快アクションとして大満足。


 

「一度も撃ってません」監督・阪本順治 at 神戸国際松竹

eiga-ichidomo.com 観終わって、滅多に買わないパンフレットを買った。

もしかして脚本の丸山昇一氏が何か書いていないか、と思ったからだ。案の定ロングインタビューが載っていて、本作は随分以前に石橋蓮司主演作として書かれたものを進化させたものだと分かった。それにしてもいまだに200字詰めの原稿用紙を使われているとか。その筆致は本作に躍動している。

 カッコ悪いことをしてもカッコ良く見えてしまう松田優作原田芳雄と違って、カッコ良いことをしてもそうは見えない石橋蓮司。ただ松田や原田、あるいは藤竜也がその空気を形成していた80年代邦画ハードボイルドは現代では不可能だ。大体、携帯電話はハードボイルドの死滅に手を貸した。その事に自覚的な主人公は携帯電話を持たない。Macは使いこなすのに。

 大作ではない方の阪本順治作品のメンバーズに桃井かおりが加入。どこかの誰かを演じているというより「桃井かおり」そのものが暴れまくって全部持って行く。そうはさせまいと阪本ファミリーと豪華顔出し俳優陣がクセ玉を繰り出す、それを打ち返す桃井の腕力に感心。桃井と大楠道代の会話に「新宿騒乱が馴れ初め」なんて話しがチラリと出て来ると若松孝二監督、原田芳雄と桃井共演「我に撃つ用意あり」('90)を想起させる。

 松田優作丸山昇一コンビのセントラルアーツ製作作品の数々の匂いプラスロバート・アルトマンの香りが微かに。

この日の国際松竹での邦画予告編で観たいと思う映画は一本たりともなかった。それらを楽しみにしている観客はこの映画を観たいと思わないだろう。

ガキに分かって貰わなくて結構、愉しめる人達との連帯をこそ。佳作、お勧め。

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阪本監督、字が綺麗