映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「かまち」監督・望月六郎 at シネカノン神戸

1977年、エレキギターで感電死した山田かまちの青春と、その20数年後、かまちの"彼女"だった予備校教師の殺伐とした日常を綴る。
かまちのエネルギッシュな言語感覚を巧くすくった前半とは裏腹に、「引きこもり」「リストカット」「集団自殺」「老人介護」と新聞の見出しを寄せ集めたような後半は、「ことさら」な描写で、見ていて気恥ずかしい。
例えばかまちの部屋のセットデザインに何の違和感も感じないが、現在の「ひきこもり青年」の部屋には「こんな感じなのかな」と作為的に作られた居心地の悪さを感じるのだ。
思うに望月監督は70'sかまち世代に好意的に寄っかかっているのだ。
2000年世代を描くというのは難しく、今はまだ総括しきれないと思う。

かまち [DVD]

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  • 発売日: 2004/08/18
  • メディア: DVD