映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「みなさん、さようなら」監督ドゥニ・アルカン at 三宮アサヒシネマ

 カナダにおけるフランス語圏、ケベック地方が舞台。末期癌に冒され、余命わずかな大学教授。
左翼シンパの歴史学者であるこの教授の、正反対の生き方をしてきた息子は、父から資本主義の走狗呼わばりされつつも、資金を惜しむこと無く最期の日々を好きなように送らせてやる、というお話。
米国の一流病院の医師から、ヘロインを用いた痛みを緩和させる方法を指示された息子が、ヘロインを手に入れるため、警察の麻薬課の刑事に入手方法を尋ねる。
 これは悪い冗談なのか、この息子がアホなのか変わり者なのか、いずれにせよここから話しに乗れなくなってしまった。あるいは、癌病棟で携帯電話をかけまくる無神経、感情のよく解らない母親、同情の余地のないジャンキー女、と最後まで乗り切れず。
これは観る世代によって評価が分かれるだろう。
それにしてもカナダの医療制度ってこんなにひどいんですか?