映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「お茶漬の味」監督・小津安二郎 at パルシネマしんこうえん

1952年、松竹作品。小暮実千代の悪妻ぶりが徹底的。鶴田浩二のエピキュリアンぶりが
イイ。パチンコ、とんかつ、ラーメン、競輪、温泉…どれもこれも今現在もある風俗なのに、
敗戦後7年目のこの映画の方が「豊か」なのは、小津の強靭な仮構世界の構築への意志
がいかに凄まじかったかを物語っている。
家出した妻にすぐ戻るよう電報を打つ夫、佐分利信。妻の居場所が「神戸市須磨区離宮…」と佐分利が読み上げるシーンで、
神戸市兵庫区の映画館に集う善男善女はどよめいた。

小津安二郎 DVD-BOX 第二集

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