映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「県庁の星」監督・西谷弘 at 東宝関西支社試写室

ドンパチ無しに挑む織田裕二主演作、原作は未読だが「月刊シナリオ」誌'06/3号によると随分違うらしい。
出世欲の固まりのような県庁職員・野村(織田裕二)が、巨大ハコモノプロジェクトを前に一般企業に研修派遣される。
そこはチェーン本部からも見放されたスーパーマーケット。店長以下やる気の無い従業員ばかり。
その中の一人、二宮(柴咲コウ)が野村の指導員となる。二人は全ての業務に亘ってことごとくぶつかるが…
というお話し。織田の慇懃無礼と柴咲の投げやりの掛け合いはセオリーと分かってても面白い。
が、スーパーマーケットの内側と改革は「スーパーの女」('96)の焼き直しに過ぎず、
展開としてはルーティン。
一方、県議会と役人のなれ合い、土建業者との癒着、これらの傀儡に過ぎない知事、
と県庁内部の描写の方が現代的でシャープな印象。構成として欲張り過ぎた(2時間11分)一方、
弁当を運びに来た織田とかつての婚約者の父との邂逅シーンの無反応ぶりが解せない。
が、「消防法」暗唱のくだりはちょっと感動的。難しいね、娯楽映画つくるのって。

県庁の星 スタンダード・エディション [DVD]

県庁の星 スタンダード・エディション [DVD]