映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「ロシアン・ドールズ」監督セドリック・クラピッシュ at 日比谷シャンテ・シネ

楽しくてたまらなかった「スパニッシュ・アパートメント」('02)の続編。
バルセロナの留学生活から5年、パリに住むグザヴィエ(ロマン・デュリス)は小説家志望ながら生活の為に何でも引き受けるフリー・ライター。30歳恋人なし。あのアパートメントでの青春の日々を送っていた仲間達も、すごろくの途中で「一回休み」を喰らっているような状況。ただ一人、ロシア人バレリーナとの結婚を決めた英国人ウィリアムだけがパッピーな様子。そんな中、グザ君にテレビドラマの脚本の仕事が舞い込み、更には英語版をつくる為にウィリアムの姉ウェンディとタッグを組むことになる。急遽ロンドンに赴任することとなったグザ君だが、パリでのスーパーモデルの自伝執筆の仕事も舞い込み…というお話。実際は身につまされる枝葉のエピゾードがいっぱい挟まっている為、これだけでは収まってはいない。パリ、ロンドン、そしてサンクトペテルブルグ。ヨーロッパの地続きを思い知らされると同時につくり手の欧州人プライドも感じられる。
グザ君目線の「オトコの恋心」の本音ぶりに首是しつつ、哀れさと単純ぶりに同情し、我が身のあの日あの時を思い出さずにいられない。編集はポップ、音楽のセンスも抜群、抱きしめたいような愛すべき一本。今作だけでも楽しめるが、前作を予習しておくと更に面白さ倍増。お勧め。
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赤坂「ザ・キュアーズ」で整体。「松屋」ごぼう牛めし。この日酒飲まず。