映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「再会の街で」監督マイク・バインダー at 恵比寿ガーデンシネマ

NY。歯科医として家庭も仕事も順風満帆なアラン(ドン・チードル)。仕事場のオフィスビルに入っている精神科の医師(リヴ・タイラー)にコナをかける余裕すらある。そんなある日、歯科大時代の同級生、チャーリー(アダム・サンドラー)と街角で再会する。が、彼は神経症気味でうまくコミュニケーションが取れない。アランは友人として気にかけるが、やがてチャーリーが「9.11」で家族を喪ったあげく精神を病んでしまっていることを知る…というお話。
ダイアローグをじっくり編み込んだ脚本が秀逸。テーマはコミュニケーション、だ。ひとは誰でも辛く暗い部分があり、自分にないものが他人にあるように思えてしまう。が、話し合い、話を聞き、聞いてもらうことで補完関係が築ければ…ということだ。
アダム・サンドラーが抜群に巧い。ひとしきり感情を爆発させたあと、ようやく義父義母に向き合おうとするサンドラーの言葉に涙が止まらなくなる。もう号泣だった。後半出て来るドナルド・サザーランドの「場をさらう」凄みも圧巻。
傑作。