1956年日活作品。
売春防止法施行の2年前の品川、洲崎遊郭が舞台。正確には遊郭の楼門の前の一杯飲み屋が主舞台なので、遊郭の中での出来事は描かれない。橋を渡れば「あちらの世界」、その直前で踏みとどまろうと生きて行く人々のたゆたい具合が絶妙だ。あの小さなセットで、ほとんど人の出し入れだけでドラマが成立している見事さ。川島監督らしいスピード感溢れる編集も惚れ惚れする。どよーんと長々撮ってしまうことが叙情的だと勘違いしているイマの風潮(それで2時間半とかになってる)は、こういう作品(本作は82分)を目の当たりにするとまことに嘆かわしく思ってしまう。
自戒を込めてだが。
- 出版社/メーカー: 日活
- 発売日: 2006/03/10
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