映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「僕らのミライへ逆回転」監督ミシェル・ゴンドリー at シネマライズ

ビデオテープからDVDへ切り替わった時期というのはいつ頃なのだろう。7、8年前くらい前か。そんな時代のニュージャージーのレンタルビデオ屋が舞台。
アホ、というか子供っぽい人ばかり出て来て、このフランス人監督がアメリカ人に対してどこかハスに構えて見ている感じもしないではないが、映画館でこれほど爆笑したのは久しぶりだ。消去されてしまった映画のビデオテープに自作自演のビデオ作品を録画していく、というアホらしさ。「ゴーストバスターズ」に自作自演の「ゴーストバスターズ」を録画するという訳だ。チープなんだけど、映画をでっちあげる工夫の数々がバカバカしくも涙ぐましく、感動的ですらある。アメリカ人の映画魂を讃えると同時に、安易なジャンル分け(客はアクションとコメディしか見ない!)には皮肉も感じさせる。それでもラストはやっぱり「ニューシネマ・パラダイス」ばりに映画愛でシャンシャン。「暗くなるまで待てない!」('75)を思い起こさせる。お勧め。