Youth America Grand Prixなる10代の若手バレエダンサーの登竜門を目指す子供達を追うドキュメンタリー。
米国人でイタリア在住の軍医の息子、その彼と仲良しのイスラエルの女の子、コロンビア出身の貧しい男の子、両親を虐殺され孤児となったシェラレオネ出身の女の子、米国の裕福な典型的ヤンキー娘、そして孟母とも言える独断専行で娘と息子を鍛える日本人ママが焦点。
子供達は天才あり、苦労人あり。キャメラは彼等の純粋なようで早くから大人の世界の一端を知っている目の動きなどをよく捉えている。
一方「頑張った人は報われる」という当たり前に収斂してしまった嫌いもある。imdbの掲示板を読むと、日本人ママが自分のエゴで娘息子にバレエを強いるのはいかがなものか、という意見に賛成意見が多く寄せられているが、最後のグランプリ大会の男子1位を得たのが別の国の子(何人かはここでは伏せておく)であったことからすると、上には上がいる筈だと思うし、バレエがお家芸の旧ソ連に至っては人権蹂躙どころではなかったと想像される。邦題のような「夢に向かって」いる部分は幾分かは伝わるのだが。
とまれ、あのシェラレオネの女の子の将来が明るいものでありますようにと祈らずにはいられない。