映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「コックファイター」監督モンテ・ヘルマン at シアター・イメージフォーラム

1974年作品、長らく日本未公開で今回ニュープリントでの公開。ここ渋谷のシアター・イメージフォーラム、カタカタと映写機の回転音が微かに聞こえて来て、ついこないだまでの当たり前が稀少な共有空間と時間になってしまったんだなと感慨深い。
プロデューサーロジャー・コーマン、監督へルマン、撮影監督ネストール・アルメンドロス、出演ウォーレン・オーツハリー・ディーン・スタントンにトロイ・ドナヒューとこの布陣だけでも今や有り難く、まさしく映画が分っている人達の共有空間と時間にふさわしい。
中身は壮絶だ。ひたすらに闘鶏。ずっと闘鶏。主人公ウォーレン・オーツは闘鶏の全米大会(?多分)のメダルを奪還するまでは口をきかないと決心している為、回想とラスト以外は無言、コミュニケーションはゼスチャー。何故か女性にモテるが、女より闘鶏。追う女あり、呼ばれて来る女あり。血みどろの鶏同士の闘いがしばしばスローモーションで展開されるが、コーマン流のエログロでもない。唐突かつチープな強盗シーンもバイオレンスからほど遠い。どーっちゅーことない映画、だけどアメリカン・ニューシネマの香り。


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