2011年の作品、元町映画館で35㎜フィルム上映。
しばらくカウリスマキの映画はサボって見ていなかった。フィンランドの小津は相変わらずであった。ちょっと北野武をも彷彿とさせるタッチ。
ル・アーブルは検索するとフランスの港町。不法移民を囲う靴磨きのおっさんマルセル(アンドレ・ウィルム)。仕事のパートナーも中国人の出生証明書を持つベトナム人。弱きを助け、妻を大切にする善人。警察権力は難民狩りに余念がない。マルセルはなんとかしてアフリカ難民の少年を、母が住むというロンドンに逃がしてやろうと奮闘する。
意表を突く劇伴音楽が新鮮。みんな根は良い人、の人情喜劇であると同時に「そうあって欲しい」というヒューマンファンタジー。