映画和日乗

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「犯罪都市 THE ROUNDUP」監督イ・サンヨン at OSシネマズミント神戸

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犯罪都市」(2017)を観てこれは続編出来るなと予想したら案の定完成。

「犯罪都市」監督カン・ユンソン at シネマート心斎橋 - 映画和日乗

凶悪極悪犯罪者を叩きのめす我らがドンソク兄さんという構図は変わらない。

 腕っぷしは最強だが笑顔とおとぼけは可愛いキャラクターも最早お約束。周りのデカ連中や食い詰め者達も煩悩まみれで不真面目なのもシリーズ化への布石だろう。

 犯人引渡し目的でベトナムに物見遊山で出張するドンソク兄さんと相棒の煩悩デカ、着いてみたらセレブ誘拐組織の仲間割れに巻き込まれるという「ブラック・レイン」('89)が下敷きのような展開。木で鼻を括った官僚主義ベトナム警察というのもあの映画の大阪府警と似ている。

 さすれば金の為なら仲間も殺す冷酷非道な誘拐犯カン・ヘサン(ソン・ソック)はサトー(松田優作)の化身か。

 一瞬たりとも飽きさせない展開は見事であり、相変わらず百年かかっても日本映画が追いつけない潤沢な制作費、公道でのカーチェイスには溜め息が出るほど凄まじい。

 ああベンツが、バス丸ごと一台がぶっつぶされて‥‥そんな計算ばかりしてしまった。

 が、マ・ドンソク兄さんのスケジュールがタイトだったのか、ベトナムロケは一部韓国内にセットを組んで撮影していると推測される。ベトナムの実景からセット撮影への繋がりの巧みさは参考になった。それはそれで見事。

 既に続編撮影の報が。

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 ただ老婆心ながら申し上げれば一作目より二作目、二作目より三作目と犯人側の極悪非道ぶりをエスカレートさせるだけだとかつての007シリーズのように地球を守るために宇宙で戦うところまで行きつきかねない。

 今後は犯人側が暴力だけでなく知略で攻めて来るのを期待したい。

とまれ、リクツ抜きにスカッとする、我らがドンソク兄さんの腕っぷしを楽しむべし。