映画的日乗

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「15ミニッツ・ウォー」監督フレッド・グリヴォワ at Cinema KOBE

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 ひっそりと公開された故に見逃してしまう私ごのみの映画をかけてくれるCinema KOBE。今作はオルガ・キュリレンコ嬢目当てで駆けつける。オルガ嬢といえば「ロープ /戦場の生命線」('15)もここで観たのだった。

 1976年のジブチ、当時はフランス領。ある小学校のスクールバスが武装テロリストに乗っ取られてしまう。黒人の子供もいるので白人専用のプライヴェートスクールではないようだ。フランス政府は即座に対応、まず外人部隊が出動、続いて米CIA。米国人の子弟が人質になっているからだけではない。隣国ソマリア、その後ろにはソ連が控えておりテロリスト達はソマリアと連携してフランスから独立したいのだ。ソ連の影響力が大きくなってはたまったものではない、というのが米国の本音。

 仏政府は精鋭の特殊部隊5人を送り込む。この5人が全く精鋭に見えないところが面白い。お洒落に気を遣い、屈強な感じがしない。背が低かったり、デブだったり。リーダーのジェルヴァル大尉(アルバン・ルノアール)も細身で学者風だ。現場に到着するも外人部隊の指揮官からは馬鹿にされ、兵士達からも揶揄われ喧嘩になる。一方ハイジャックされたバスに担任教師のジェーン(オルガ・キュリレンコ)が軍人を振り切って乗り込む。5人の狙撃隊がバス全体を見通せる位置を見つけ、ここから神経戦が始まる。パリの中央政府は彼らに訳の分からない命令を下した為作戦が実行できない。まさしく「事件は会議室で起きているんじゃない」なのだが、これに唯々諾々従う外人部隊指揮官。こんなかっこ悪い、そして最後までダメダメな外人部隊は映画とはいえ初めて観た。テロリスト達が兵士一人を射殺した事で、ジェルヴァル大尉は作戦決行を決意する。気丈にして果敢なジェーンは献身的に協力し、テロリスト達は殲滅されるもソマリア軍が国境を越えて攻撃して来る。ソ連軍の軍事顧問みたいな輩が指揮を執っているのが見える。大尉を初めとした狙撃隊は応戦、これが百発百中なのがちょっとマンガチックで気を削がれる。

 結果、バスの子供達から一人の犠牲者が出てしまう。中央の命令に背いた作戦だった為、フランス政府は知らんぷり、ジブチはこの事件の翌年に独立、とのエンドロール。ウィキによると独立後から現在に至るまで未だにフランス軍の基地があり、大規模に展開をしているようだ。つまり対ロシア防衛線ということなのだろうことが本作から想像される。

 タイトルの15分戦争よりもそれ以前の神経戦が見どころ。