映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「サマリア」監督キム・ギドク at シネカノン神戸

韓国、ソウル。ヨーロッパ旅行の資金を稼ぐため売春を続ける女子高校生二人組。
あどけない笑顔が可愛いチェヨンが実行し、ヨジンは見張り役。ある日、チェヨンが売春を
しているホテルに警察が踏み込む。チェヨンは下着姿で窓に立ち、見張りのヨジンに
微笑みかけながら飛び降りる。頭に重傷を負ったチェヨンは、危篤に陥り、何故か自分を買った
ある客に会いたいと言い出す。その客を捜し出したヨジンだが、病院に着いた時には
チェヨンは死んでいた…というお話しだが、ここからストーリーは悪魔が取り憑いたような
下降するスパイラルを辿る。ギドク監督はクリスチャンらしいが、いわゆる「穢れ」と
その「浄化」について、邪悪としか形容し難い描写を続ける。なんでそーなるの!なのだが、
この西欧的キリスト教教条主義からの逸脱は、映画に於いて極めて新鮮だ。
後味は悪いものの、新しさは衝撃的だ。

サマリア [DVD]

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