韓国、ソウル。宅配売春婦が相次いで行方不明になり、元締めの男ジュンホ(キム・ユンスク)は誰かが監禁して売り飛ばしていると踏んで客の一人を追い込む。犯人ヨンミン(ハ・ジョンウ)は、売春婦達を片端から殺害していたのであった。元刑事だったジュンホはヨンミンを捕らえるが自身も逮捕されてしまう。ヨンミンは刑事の取り調べにあっさりと殺人を認める一方、捕らえたばかりの女ミジン(ソ・ヨンヒ)はまだ生きているだろうと告白。しかし監禁場所は決して口を割らない…というお話し。
映画前半であっさり犯人が捕まってしまう、が、そこから驚嘆の緊張感を強いる展開となるこの脚本のアイデアが抜群。ソウルの坂道、細い路地、雨、暗闇、半地下の部屋。ロケーションのセンスも素晴らしく、恐らく'70年代の優れたアメリカのポリスアクションや深作欣二作品の数々を脳裏にしみこませていたのであろうと想像するホンジン監督の映画センスに感心する。凡百の予定調和ドラマや映画に飼いならされている観客にはこの映画の後半の展開はシーン同様、鑿(ノミ)を脳天に打ち込まれるほどの衝撃と言っても良いだろう。
内容の三分の二程度が実話とのことだが、嘆息ではすまされない韓国警察の無能ぶりにはぞっとさせられる。傑作、お勧めだが覚悟して。
英国版予告編
- メディア: Prime Video
