映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「モーターサイクル・ダイアリーズ」監督ウォルター・サレス at パルシネマしんこうえん

昨年度公開作品。革命家チェ・ゲバラの「モーターサイクル南米旅行記」の映画化。
アルゼンチンからベネズエラまで、バイクで縦断する医学生ゲバラとアルベルト。
行く先々で出会う人々、淡い恋。1950年代の南米の厳しい生活。無医村、銅山で働く重労働者、そしてアマゾンのハンセン病病棟。純真で確たる理想主義者のゲバラと、口八丁手八丁俗物丸出しのアルベルトのコンビの描き分けが巧い。
何より手持ちを多用したキャメラが素晴らしい。本当のインカ、本当のマチュピチュ遺跡を捉えているのは偉大だ。ただ、ゲバラの持つ神話性を融解するまでには至っていない。彼もまた人間だった筈だ。
素直で真っすぐな青春ロードムービーの佳作。