映画和日乗

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「バブルへGO!!〜タイムマシンはドラム式〜」監督・馬場康夫 at 東宝関西支社試写室

 9年ぶりのホイチョイ・プロダクション作品。
 2007年、日本の国の借金は800兆円を越え、2年後の破綻が予測された。財務省に勤めている下川路(阿部寛)は、破綻を食い止めるべくタイムマシンに乗って、17年前の1990年当時の大蔵省金融局長にメッセージを託そうとする。タイムマシンを開発した技術者、真理子(薬師丸ひろ子)はひと足先に1990年の世界に行っていたのだが、時の政府の囚われの身となっており、その救出目的とバブル崩壊阻止の使命を以て真理子の娘の真弓(広末涼子)がタイムマシンに乗せられる…というお話し。奇想天外ながら良く出来ている脚本はホイチョイ作品としては初登板の君塚良一、流石。
 ホイチョイ的カタログの羅列は最早古いテになってしまっており、いくらCGで塗りたくってみてもたかが17年前の社会風俗あまり感慨もないが、それでも飯島愛飯島直子というバブル的記号人をそのまま登場させるシャレっ気は素直に可笑しかった。演出は存外にカタく、政治批判もひ弱。バブル的であることを非難もせずあくまでカタログであり続ける。美術、大道具小道具担当者の苦労はしのばれるとしても、嘲笑することも含めもっとバカバカしくやったら、とは思った(関西系の監督の方がやれたかも)。広末涼子、好演。2007年2月公開。