映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「ゲゲゲの鬼太郎千年呪い歌」監督・本木克英 at 109シネマズHAT神戸

鬼太郎シリーズ2作目。濡れ女(寺島しのぶ)の呪いによって、命が危ない女子高生(北乃きい)が鬼太郎達に救いを求める。妖怪達の調査で、濡れ女は悪霊ではなく、悲しい運命を辿った事を知るが、ぬらりひょん(緒形拳)はそんな濡れ女を利用して人間界の破壊を目論む…というお話し。昨今の若年層の命を軽視した行動に対する諌め、自然破壊に対する警告、果ては強力な「異国の妖怪夜叉」の登場は中国脅威論にも見えて(穿ち過ぎかな)…と社会性もぎゅうぎゅう盛り込みつつ、人を愛する事の意義で大団円となる構成が見事。気迫と存在感で他を圧倒する寺島しのぶ「雨月物語」('53)の京マチ子に重なって見えて仕方がなかった。小学校低学年の姪っ子同伴だったが、物語としてはちょっと早かったか、もう少し上の世代からがお勧め。エンドロールが始まっても決して最後まで席を立たないように。佳作。