映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「ヒーローショー」監督・井筒和幸 at 三宮シネフェニックス

「パッチギ!LOVE&PEACE」('07)以降、いつくかの企画が立ち消えになっていた井筒監督の長編最新作。
次から次へと暴力事件が連鎖していく展開は全く先が読めず、予定調和のないサスペンスが冴えている。
しかし後半元自衛官の勇気(後藤淳平)と、半端な専門学校生のユウキ(福徳秀介)のジャルジャルコンビの道行きが中心線になってくると突如叙情へと転調する。むしろこの後半の方が「井筒的」なのだろう。「ガキ帝国」('81)のノスタルジー、「岸和田少年愚連隊」('96)の可愛げがごっそり抜け落ちたむき出しの暴力のリアリズムには正直疲れてしまう。
後藤淳平が良い。
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村