映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「シルミド」監督カン・ウソク at 三宮東映

1968年の韓国。
北朝鮮金日成を暗殺するべく、死刑囚を初めとするならず者達がシルミドという無人島に集められる。
そこで彼等を待ち受けていたのは、既に北朝鮮に何度も潜伏したことのあるベテラン特殊工作員(アン・ソンギ)を長とする韓国軍精鋭部隊。
その日から生きるか死ぬかの地獄の訓練が始まった…という聞くだけでもワクワクする(でしょう?)お話し。
のっけから38度線を越えて南侵する北朝鮮特殊部隊を迎え撃つ韓国軍の戦いと、組織のボスを狙って結婚式場に乱入するヤクザ達のカットバックから始まり、息つく暇もない。
トーリーとしては、それほど複雑なものではない反面、これでもかこれでもかと画面一杯に男達の過酷な日々と、苛烈な闘いが続く。
このテンションの高さ、血潮たぎる、なんて言葉が久しぶりに思い浮かんだ。
哀愁を湛えたアン・ソンギを筆頭に役者が皆素晴らしい。
ドッカンバッカンの戦闘シーンは勿論、タブーを恐れない政治的スケール感の大きさは見事。
これに比して、総連の抗議を恐れてか、ぐだぐだとフィクションを強調する但し書きを入れている日本の配給元。
これでは最早日本映画は太刀打ちできまい。

シルミド/SILMIDO [DVD]

シルミド/SILMIDO [DVD]