「ロスト・イン・ラマンチャ」('02)でエラい目に合ったテリー・ギリアム7年ぶりの新作。
19世紀初頭、フランスのナポレオン軍占領下のドイツ。
悪霊退治を請け負うグリム兄弟、その実は悪霊をでっちあげ、
退治したふりをするパフォーマンス詐欺で稼いでいる。
しかし、ほどなく詐欺の疑いでフランス軍に捉えられ、
死刑を宣告されるも、子供達が次々に失踪する村の事件解決を条件に命拾いする。
さて、その村に向かったグリム兄弟とお目付役のイタリア軍人は、木の動く森に遭遇する…というお話し。
誰もが知ってるグリム童話の「赤ずきんちゃん」「ヘンゼルとグレーテル」を盛り込みながら、
全く新しい冒険奇譚を作り上げた脚本は、多分にギリアムのひらめきを盛り込んだと思われ、
蛇行するような展開。
7年ぶり、とあって「安全パイ」を狙ったか、いつものギリアムらしい毒や観念的な幻想はすっかり影を潜めている
のが不満、グリム兄弟がいつも処刑寸前に簡単に助けられてしまうのも子供だまし。
が、七分咲きとはいえギリアムの戦車級パワーの片鱗は楽しめる。
この「保険映画」が功を奏したか、既に次回作が完成しているらしい、是非観たい。
出来たて109シネマズ神戸、遂に東急系シネコンが神戸に上陸、
ヴァージン六本木並みの大スクリーン、広い椅子が嬉しい。
- 出版社/メーカー: ハピネット
- 発売日: 2007/02/09
- メディア: DVD
- 購入: 2人 クリック: 32回
- この商品を含むブログ (80件) を見る