映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」監督アンドリュー・アダムソン at MOVIX六甲

6歳の姪っ子と同伴なので日本語吹き替え版で。
1940年代、第二次世界大戦中のロンドン。
ナチスの空襲から逃れる為に田舎に疎開した4兄弟。大きな屋敷でかくれんぼをしているうちに
ナルニア国」に紛れ込んでしまう…というファミリー・ピクチャー。しかし驚いたなぁ、
このキリスト教優位主義には。旧約聖書「アダムとイブ」の国から来た子供達に、
ナルニアでは百年以上クリスマスが無い」と言う住人、クリスマスが無い、ということは
キリスト教の抑圧を意味する。キリスト教の不在は「雪と氷に閉ざされた専制君主の世界」となる。
その君主はフセインやジョンイル並みの残虐な女王で、それを倒そうとする「革命軍」の
リーダーのライオンは人間を助ける為にすすんで生け贄となる。
もうゴルゴタの丘で殺されるキリストそのものだ。
「あ、こりゃ生き返って"復活"だな」と思ったてたら案の定。
復活後は氷を溶かす「神通力」を体得してたりするし。
更に空恐ろしかったのは、
抑圧されていたサンタクロースが「プレゼントだ」と言って剣や弓矢を子供達に与えるところ。
キリスト教の為には異端者、異教徒とは「武器で戦いなさい」とサンタクロースまでが推奨するって訳だ。
英米ネオコン時代の子供向け洗脳映画と見るのは穿ち過ぎか。
あらためて平和と共存を説くジブリは偉大だと感じ入った。