映画和日乗

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「もしも昨日が選べたら」監督フランク・コラチ at 阪急会館

NY、美人の妻(ケイト・ベッキンゼール)と可愛い盛りの二人の子供を持つマイケル(アダム・サンドラー)は、建築設計技師。家庭はそれなりに幸せだが出世欲が強く、ワーカホリック気味だ。リビングの電化製品を動かす為のリモコンが多過ぎる事に苛ついた彼は、ショッピングセンターに全ての電化製品が兼用できるリモコンを買いに行く。しかし、そこで出会ったモーティなる変な技師(クリストファー・ウォーケン)から「人生を早送り出来る」リモコンを譲り受ける。妻の小言や面倒な家庭サーヴィスなどを「早送り」できたり、人生の先々までワープできることにすっかりのめり込んでしまい、出世は果たすが、そのせいで家庭を喪ってしまう…というお話し。
日本ではあまりウケにくいアダム・サンドラーの、ワイルドなギャグ満載のコメディの延長線上にあるが、家庭を喪う、というファクターを盛り込む事で泣かせるファミリー・ドラマへと転化させている。意味も無く、出て来る女性がみんなプレイメイトっぽかったり、サイズを詰めた画面でわざとソープコメディ風のチープなルックにしたりとコラチ監督のBテイストぶりが楽しめるが、ラスト、まさか台詞にはしないだろうなと思ったこの映画のテーマを主人公に言わせるクドさは、過剰でいただけない。しかし、それほどまでにかの国の家庭崩壊が深刻であることも想像に難くない。もちろん、此岸の国もだが。とまれ、ウェルメイドとはこんな映画、笑って泣けて(おまけにちょっとエロくて)どこが悪い、だ。ヤンキース松井秀喜選手、出てます。

もしも昨日が選べたら [Blu-ray]

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