映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「再会の食卓」監督ワン・チュエンアン at Bunkamura ル・シネマ

現代の上海が舞台。
1949年、中国共産党軍に追いつめられた蒋介石国民党軍は台湾へと逃れる。その際の国民党軍の里帰りが許され40年ぶりに上海訪問団が帰郷。その一人、リウ(リン・フォン)は、上海に結婚したばかりの妻ユィアー(リサ・ルー)を残していた。ユィアーは長い歳月の間に別の夫ルー(シュー・ツァイゲン)と暮し、家族を設けていた。リウはユィアーとルーの家庭に迎えられるが、40年前にユィアーのお腹にいたリウの実子は彼を許さず、冷たい。ルーは優しい性格でリウを心づくしの料理でもてなす。リウとユィアーが愛で結ばれていることを悟っていたのであった。そして二人は台湾へ戻って余生は夫婦をやり直したいと切り出す…というお話し。
チュエンアン監督はストーリーラインをシンプルにそぎ落とし、ワンシーン・ワンカットの撮影で一人の妻と二人の夫の会話をじっくりどっしりと捉える。あまり話しの核心に触れる訳にはいかない展開なので踏み込まないが、ラストに於ける経済優先の都市開発が、家族の団らんに影響を及ぼすという現代中国への一矢は、翻ってとっくの昔に我が国に於いて証明されていることに気づかされる。
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