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「仁義なき戦い 代理戦争」監督・深作欣二 at 丸の内TOEI

伊丹空港よりNH22便で羽田空港着。

仁義なき戦い 代理戦争

仁義なき戦い 代理戦争

  • 発売日: 2014/12/16
  • メディア: Prime Video
 

 コロナ禍の余波で新作上映がままならぬということで思わぬ旧作名作が上映中。

1973年「仁義なき戦い」シリーズ第三作。三作目だが二作目「広島死闘篇」が北大路欣也主演のスピンオフ、この「代理戦争」が一作目からの続編である。

初見は大学時代か。35余年ぶりのスクリーンでの再見。DCPリマスターされていて音はクリアだがルックは良くない。ラストのシークエンス、車に踏まれる骨壺は鮮烈に覚えていた。代理戦争とは巨大権力の抗争で、権力が操る兵隊は結局は末端の一兵卒が犬死にする。映画冒頭にベトナム戦争のスチールがスライドされるが、全ての戦争がそうであることを脚本・笠原和夫は暗喩し、監督・深作欣二もそこに原爆ドームをカットインさせることで視覚化している。

 加藤武という人は名優に違いないが、本作の打本組組長役が一番の当たり役ではないだろうか。

 主人公広能(菅原文太)以外は全員裏切りと保身、より強い権力の威を借るという打算。現代の官僚機構と何ら変わらない普遍性。傑作と大スクリーンで再会したというのに溜息が出てしまう。というのも、本編の予告編。一本が今年開催されるはずだったパラリンピックを当て込んでつくられた企画、故に賞味期限が切れてしまっている。もう一本は時の官僚機構が吐いた老後資金に関する報告からつくられた企画、これもコロナ禍で時代がズレてしまっている。骨太な普遍性からは程遠い新作との落差に暗澹たる気分になってしまったのだった。