以前女子大で教えていた時、私の講義を聴いた学生に「映画ってストーリーだけ追うものだと思ってました」と言われて軽く目眩を覚えたものだ。
映画の見方が全くわかっていないんだ、これでは映画館の入場料払ってもその半分も消費していない事になる。
出ているスターを眺めて話が分かればそれでOK、というのは実は作り手側にも責任がある。特に日本映画。
社会背景、歴史背景、人物の由来。
シーンに隠された暗喩。隠喩。
映画監督が思いを込めた真のテーマ。あるいはストーリーをより豊かに楽しませる為の創意工夫。
それらを認識しながら映画を楽しむのにはある程度の教養が必要なのかもしれない。
それが、わからないことはスマホで即検索、の世代には身についた知識が無い。
習慣として映画を観ていないので文化的要素がむしろ邪魔になって飽きてしまう。早送りで良いなどと曰う輩。
勢い映画に求められる要素の一つが「ストーリーの分かり易さ」となってしまい、観客の知性の劣化に手を貸している。
閑話休題。
7月2日はスピルバーグの凄みを、
8月6日は天才黒澤の哀しみを、
9月3日は死ぬまでに観るべき100本を。
しゃべり倒します。
お申し込みは上記のリンクから。いずれも19時から20時半、1回1,500円。リモートなので世界中どこからでもOKです。