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「SISU 不死身の男」監督ヤルマリ・ヘランダー at TOHOシネマズ西宮OS


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 91分なのに6つの章に分けられていて、本作を観終わると分ける必要は特になかったと思い至るのだが、タイトルも含めあのロゴデザインを出したかったからだろう。

ロゴがマカロニウェスタン調なのだ。

 

 もうあのロゴを見ただけでこの監督ヤルマリ・ヘランダー('76生まれ)はタランティーノに喧嘩を売る勢いで古今東西のアクション映画への偏愛ぶりを見せつけてくれる。

 1944年、たった一人でナチと戦うフィンランド最強の元特殊部隊員というだけで「イングロリアス・バスターズ」(2009)にメンチ切ってスタローンの「ランボー」シリーズに愛を捧げている。

 

 

 同じフィンランド出身のレニ・ハーリンも手がけた「ダイ・ハード」シリーズ、「ランボー」シリーズのヒーローが主演のアアタミ(ヨルマ・トンミラ)に憑依しセルジオ・コルブッチの残虐とセルジオ・レオーネの長めのカットバックが炸裂する。

 不死身の男の不死身ぶりは最早既に死んでいるからではないかとさえ思わせる、そういう点ではイーストウッドの「荒野のストレンジャー」('73)あるいは「ペイル・ライダー」('85)由来かも知れない。

どんなに離れていても戻ってくる愛犬ちゃんも霊的だ。

 ただ絞首刑にされるアアタミが死なないのはもうひと工夫欲しかった。レオーネはそういうとこちゃんとやってた。アアタミが出くわすドイツ空軍兵がモーゼルc96を使ってるのはコルブッチ「殺しが静かにやって来る」('68)かな。

 

殺しが静かにやって来る(字幕版)

殺しが静かにやって来る(字幕版)

  • ジャン=ルイ・トランティニャン
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 ナチに囚われたロシア人女性達がどこで訓練受けたんだかアアタミの助けで開放された途端に凄腕のスナイパーになっているあたりからもう何でもありになって来て(褒めている)横一列歩きのショットはああもうやりたくて仕方がなかったんだろうな、中2映画オタク趣味が炸裂する。

 この誰も止められない映画オタクの金字塔、もう途中からニヤニヤが止まらずエンディングでは一人拍手したよ。目クジラは立てまい、ご同輩。

嗚呼映画秘宝がまだあったら巻頭特集間違いなしだろうな。

超お勧め。