映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

私は、ダニエル・ブレイク」監督ケン・ローチ at パルシネマしんこうえん

www.idanielblake.co.uk

ダルデンヌ兄弟の映画で欧州の貧困を知る。そしてケン・ローチのこの昨年度カンヌ最高位作品で英国の貧困を知る。この映画とEU離脱は無縁ではない。低所得者層、いやここで描かれるシングルマザー家族は飢えてすらいる、そんな彼ら彼女らの求職は切実だ。移民に職を奪われ、他国に産業を奪われているという主張は、それが正しいかどうかはともかく、彼ら彼女らの心情に芽生えるのはこの映画を観ると理解出来る。勿論、主人公ダニエル(デイブ・ジョーンズ)はそんなことを一言も言わない。彼の怒りの矛先は黒澤明監督「生きる」('52)の比ではないくらいに酷い彼の国の官僚主義であり、国家の納税者への尊厳無視だ。ダルデンヌ兄弟には徹底したリアリズムだけではなくそこはかとない寓話性がある。が、ケン・ローチは非情だ。弱者に鞭打つ。そしてこの映画は怒っている。英国に、世界に対して。怒っている映画は久しぶりのような気がする。万引きのエピソード、巧い。

佳作、おすすめ。

 

 

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