映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「シリアナ」監督スティーブン・ギャガン at 神戸国際松竹

トラフィック」('00)の脚本家、ギャガンの監督作品。
シリアナ」という言葉は本編劇中一度も出て来ない。
ストーリーのバックボーンや細部についても知りたく、久しぶりにパンフレットを買った。それによると「シリアナ」とは中東の反米国であり、米国による民主化が理想とされる産油国群を指す造語だそうだ。
この映画のストーリーについてここで書き連ねるのは徒労というもの、要は漠然と頭では理解している石油を巡る各国の思惑を実に明確に映し出してくれた映画であるということだ。
覚えているだけでも米国ワシントン、イラン、レバノン、スペイン、フランスと舞台は目まぐるしく移動し、アメリカ人、イラン人、産油国王族、中国人、パキスタン人が入り乱れ、登場はしないが「カザフスタン」はキーワードだ。
そう、ニッポンのJの字も無いほど我々は蚊帳の外、「我々以外」はこうして争っているのだという現実に「それはそれで幸福」とは言っていられないひ弱でノー天気な国民性にまで思いは及んだ。
ここに描かれている中国に対してニッポン国は相変わらず竹槍で向かっているような気がしてならない。ま、そんなシーンはないのだが。役者は全員素晴らしい。
プロデューサーを兼任したジョージ・クルーニーは今作でオスカーを獲得。傑作、必見。
蛇足だがパンフレットに掲載されている鳥越俊太郎氏へのインタヴューは示唆に富んでいる。お値打ちなパンフです。

シリアナ [DVD]

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  • 発売日: 2007/07/13
  • メディア: DVD

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