清水宏監督「按摩と女」('38)をリメークではなく、より完全に「再現」したとでも言うような"カヴァー"ムービー。
原典を観ていないので何とも言いようがないのだが、リズム感が非現代的な点は相当意識した結果なのだろう。が、いわゆる懐古趣味のような感覚は微塵もなく、デジタル処理を含めルックはイマ風CM風といった感じ。映画監督の資質というものはどう足掻いても画面に出てしまうものなのだと再認識。
愛人を演じたマイコの佇まいが素晴らしい。この人に着物を着せて畳に座らせる為にこの映画が企画されたのではと思うほどだ。そんなことはないのだろうけど。ラスト、盲目の草彅剛がマイコを追いかける後ろ姿、その哀感漂う駆け方が見事だった。
金沢経済新聞記事。