映画和日乗

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「ザ・マジックアワー」監督・三谷幸喜 at MOVIX六甲

 ヨーロッパの街角を思わせるセット、ホテルに踏み込む拳銃を持った男達、パンアップするとこれまた大げさなラヴ・アフェア…劇中劇かと思うくらいの虚構だが、これは確信犯的に「大嘘中の大嘘です」と高らかに宣言するようなオープニングなのであった。
 前作「THE 有頂天ホテル」では設定と舞台コントの融合の不備が非映画的でノレなかったが、今回はもうのっけから「大嘘でございますので、ノラなきゃソン」とばかりに畳み掛けて来る。佐藤浩市が、そんなにバカでいいのかというくらい自分が騙されていることに気づかない点も、怒濤の展開と破竹のギャグで「まぁいいか」と思わせてしまう力技。寺島進はサイコーに可笑しいし、綾瀬はるかは何やっても可愛い。三谷幸喜監督最高傑作、オモロい、お腹いっぱいの大エンターティンメント。