1957年の日活作品を日活創立100周年を記念してデジタル修復したニュープリント版。「デジタルリマスター」ではないのは、マスターとなるオリジナルネガが消失している為のようだ。
恥ずかしながらスクリーンでは初見、大昔にVHSビデオで観たきりなので、いくつかのシーンは鮮烈に覚えていたものの初見のようなものである。
それにしても圧倒的なテンポの良さ、ノンストップで突っ走るスピード感、今から54年も前のこの映画のテンポとスピードに優る映画がその後に存在しただろうか。台詞はリズムを刻むかのように完璧に計算され、それをタタターンと小気味よく発するフランキー堺当時28歳の凄み。菅井きんの可笑しみ、小沢昭一の川島組に於けるいつものヘンタイぶり、南田洋子の女っぷり、芦川いづみの可憐。全てが丁々発止、そして石原裕次郎の最後の高笑いにはえも言われぬ感動で涙が出かかる。
豪勢且つ緻密なセット、落語ネタを繋ぎ合わせた圧倒的に面白い脚本、日本映画1950年代黄金期の至宝、名作。この公開を機に是非。
幕末太陽傳 デジタル修復版 Blu-ray プレミアム・エディション
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