映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「いのちのスケッチ」監督・瀬木直貴 at 第七藝術劇場

国際ファッション専門職大学大阪キャンパスで講義。

inochisketch.com 漫画家修業に挫折した青年が、東京から故郷大牟田へ帰って行く。一文無しがどうやって帰郷したのかは描かれない。実家の父親には敷居を跨ぐなと叱られ、仕方なく祖母の家に。そこには見知らぬ若い女がいてこれまた飛び出さざるをえない。何とか先輩の伝でアルバイトに採用されたのが市内の動物園。そこには祖母の家にいた女性が獣医として働いていた、というお約束的展開。認知症の祖母に甘える青年は、当初動物園の仕事は片手間でしかなかったが、獣医の真摯な仕事ぶりに感化され、経営難の園の集客に絵を描く才能を生かして尽力する。獣医師の何事も決めつけたような台詞、反してモラトリアムで鈍感力満点の青年の対比は面白いが、自治体協力映画の様々な制約が手に取るように見えて深く同情したのは同業の私だけか。製作費も想像がつく悲しい性。

 ライオンからの麻酔なし採血の成功が、どんなにか素晴らしい実績なのかがよく分からないがそれがクライマックスになっているというのがかえって新鮮。大仰な盛り上げでなくても良いのだと。