盛りを過ぎた映画俳優がウィスキーのCM撮影で東京を訪れる。
孤独だが刺激的で不思議な日々。そして同じホテルに泊まっていた若い人妻と東京という巨大なワンダーランドを徘徊する…なんということのない話し。
CMディレクターがバカ丸出しなのも違和感があるし、頭がイカレてるようにしか見えないコールガールのシークエンスも笑えない。
「甘い生活」('60)がやりたいのかな、と思ってたら案の定、主人公達が深夜に升酒飲みながら「甘い生活(La Dolce Vita)」をテレビで観ているシーンが。
しかしこの映画は、あのステキなラストシーンで全て許してしまった。
ソフィア監督は絶対このシーンから逆算してこの映画を撮っているに違いない。
アカデミー脚本賞受賞に異議を唱える向きもあるが、以前大島渚監督が「戦場のメリークリスマス」('83)で米国人脚本家と共同執筆した時、英語のダイアローグには日本でいう「阿吽の呼吸」である「…。」がない事を知った、と語られていたことを引用すると、この映画のダイアローグは「…。」だらけなのだ。
この点はハリウッドには新鮮な驚きだったのだろう。
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