1967年東宝作品。成瀬巳喜男監督の遺作。戦争や貧困といった、時代に翻弄されていく成瀬映画のヒロイン像が
高度経済成長期になると描きにくくなっていたのか、ここでは作為的なアクシデントによる運命の流転が
より劇的に描かれることになる。中盤、舞台が東京から青森に移るのだが、
そこに登場する森光子の凄まじい俗物ぶりが見事。この森がどじょうすくいを延々と踊り、それを見ている義妹司葉子が
手酌で酒を飲み出すくだりの映画的煌めきが成瀬最期の光芒か。
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2005/08/26
- メディア: DVD
- クリック: 64回
- この商品を含むブログ (49件) を見る