映画和日乗

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「ワルキューレ」監督ブライアン・シンガー at 109シネマズHAT神戸

ブライアン・シンガー監督&クリストファー・マッカリー脚本の「ユージュアル・サスペクツ」('95)コンビが再び組んで、ほぼ史実通りのヒトラー暗殺未遂事件とその後のクーデター失敗を描く。その昔この事件についてのノンフィクションを読んでいたので(読んでいなくても分かることだが)ヒトラー暗殺は失敗するという「分かりきった結末」に向けてどう描くのかとの興味が一番あったが、史実に忠実に粛々と描いたという印象。ラストで大逆転を見せてくれた「ユージュアル…」に比べるつもりはないが、ニュースフィルムの再現のような暗澹たるラストはもうちょっと何とかならなかったのかとも思う。
監督アメリカ人、出演者はトム・クルーズを除けば英国系が殆どでゲルマン、プロイセンの陰影やアーリア人種の匂いが皆無なのが全体的に脂の抜けた雰囲気を醸し出している。ついポール・ヴァーホーヴェンだったら、ウォルフガング・ペーターセンだったらといけない妄想をしてしまうほどだ。で、思い出したのがこの映画「将軍たちの夜」('67)。

多分、製作スタッフは参考にしたのでは?