映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「日本の夜と霧」監督・大島渚 at 神保町シアター

1960年松竹作品。スクリーンで見るのは初めて。
アンゲロプロスよりも、曽根中生よりも、当然相米慎二よりも遥か以前に、このカットを割らずに延々と続くキャメラの移動の衝撃。大島渚作品に否応無く引き込まれる、誰にも似ない、過去からの剽窃がない、どこにもない強烈な個性の確立。川又昴のキャメラは構図を整えるヒマもないようで大島作品に共通する整然を嫌うフォルムが延々と続く。またビデオでは気がつかなかったキャメラのシャーッというクランク音がそのまま入っているのにも驚嘆した。ニュースフィルムを意識した確信犯的演出なのだと想像する。また、津川雅彦渡辺文雄に緊張と興奮で台詞が上手く言えない非俳優を平気で対峙させている。
ラスト、ここでは「党」と呼ばれる日本共産党の欺瞞を、延々と演説する党員に対して冷ややかに見つめる視線の数々で表現する冷徹な熱情。ぶった切ったような終わり方、50年たってもクールだ。

日本の夜と霧 [DVD]

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