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「ドン・ジョバンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い」監督カルロス・サウラ at パルシネマしんこうえん

 ダンス映画の巨匠、カルロス・サウラ77歳時の作品。
18世紀ヴェネチアユダヤ教からカソリックに改宗したロレンツォ・ダ・ポンテ(ロレンツォ・パルドゥッチ)はカサノヴァの紹介でサリエリに会う為ウィーンに渡る。そこで出会ったのがモーツァルト(リノ・グリアンチャーレ)。モーツァルトは既にロレンツォが書いた「ドン・ジョバンニ」を更に扇情的に改稿するオペラの制作を目論む。ロレンツォは自らの女性遍歴を書き、同時にモーッアルトはオペラを作曲する作業に没頭する…というお話し。
 中世絵画が動き出したかのようなルック、流石は光の魔術師、巨匠ヴィットリオ・ストラーロ撮影監督。そして敢えて舞台の書き割りのようなセットでの進行、更にその中にオペラ「ドン・ジョバンニ」を入れ子とし、ラストに至ってそのオペラ舞台から更に更に幻想の火の世界へと飛翔するという映像のめくるめく展開にカルロス・サウラ監督の舞台芸術への造詣とエネルギーに圧倒される。ちゃんとイタリア語とドイツ語でつくられており、「何でもかんでも英語」にしてしまう風潮に抗うその真っ当ぶりに巨匠の意地が感じられる。やっぱりこの手の欧州美術のホンモノはストーリー云々を越えて眼と耳の保養。

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