1966年松竹作品。
東映の加藤泰が松竹に出向いて撮った本作は恐らく公開当時でも問題作扱いされたであろう、ヤバい作品。後の東映「仁義なき戦い」シリーズでも朝鮮人、在日ヤクザといったキャラクターは「表立っては」描かれていなかった。
なるほど全国津々浦々駅前にパチンコ屋があるのはこういう事情だったのか、ということが判る映画でもある。
加藤泰の、ローアングル、フィックス撮影は集団の武闘には適さないという印象も残る一方、ラストの大立ち回りで安藤昇が日本刀をX状に振りかざして直進してくる縦の構図は肌が粟立つ興奮。ギクシャクした脚本、伊丹十三(当時は一三)の訳のわからない立ち位置などの奇怪ぶりをあのワンカットで凌いでしまった。怪作とはこのこと。