映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた」監督ブレット・ヘイリー at シネリーブル神戸

www.heartsbeatloudmovie.com  NY、ブルックリン。中古レコード屋の親父(ニック・オファーマン)は商売っ気が無い、気に入らない客は追い返す。そもそも自分が元ミュージシャンで趣味の延長のような仕事。しかしいよいよ閉店しなければならない。妻は事故死、聡明な娘(カーシー・クレモンズ)は西海岸の医学部に入学することになっている。貧しいが麗しい親子愛に満ちいてる。が、親父の方が娘と離れるのを嫌がって一緒に歌を作ろうとなり、気まぐれに歌ってみた娘だが、親父はその気になって音楽活動やろう、医学部どうでも良い、と言い出す。要は「子離れ出来ない親父」のお話し。

 ヘイリー監督、いろいろたくさん撮っているキャリアの監督だけど、ロケセットからロケセットに繋ぐテレビドラマ仕様。親子のレコーディングや演奏をダラダラ工夫なく見せるのは凡庸。寝たよ。娘が西海岸に行く、その為に同性の恋人と別れなければならない、つまり東西の交通費さえままならない貧困、だから医学部目指すのよ、となるのかと思いきや、グスグズしたエンディング。認知症のお婆さん、親父の女友達いずれも中途半端な人物造形とエピソードで退屈。娘の恋人役サーシャ・レーンだけが目をひく好演。

 金かかってない、かけられなかったのだろう、そういう意味では日本映画みたいで多少の同情。