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「RRR」監督S・ラージャ・マウリ at 109シネマズHAT神戸

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https://www.imdb.com/title/tt8178634/?ref_=fn_tt_tt_1

  3時間7分、過活動膀胱の身としては覚悟して望まなければならなかった。何と90分くらいでちゃんとIntervalのクレジットが出るが、我が国ではぶっ通す。仕方なく途中退場して素早く戻る事で凌ぐ。

 1920年英国統治下のインド、横暴の限りを尽くす総督府に恨みを募らせて叛逆するインド人青年二人の物語。

インドの反英闘争(20世紀)

 なるほど。これを読むと本作の歴史的背景が朧げに見える。ラストに登場するいくつかの巨大な肖像画はこの反英国闘争の志士であろう。ガンジー、ボースくらいしか知らなかった不見識を恥じる。

 さて本筋だが、例によってそこで歌うんかい、とミュージカル要素はお約束。しかし、待てよ、かつての東映ヤクザ映画で北島三郎鶴田浩二を「兄貴」と慕うには恩なり義理なりがあった。いやそんな異文化を当て嵌めるつもりは無いが、綱引きの腕っぷし程度で兄弟の契りを交わすのはいかがなものかと思ってみていたら、ははん、そういうことではない事が英国人宮廷内のダンス合戦で伝わって来る。

 同性愛は彼の国では御法度の筈、いくつか検索してみたらブロマンス(Bromance)という言葉を知った。なるほどインド映画の表現としてはギリギリの隠喩なのだろう。

 英国統治側の警察で出世欲に燃えるラーマ(ラーム・チャラン)は故郷に許嫁を残しているが、囚われの身となるビーム(NTR.Jr)の方はまるで女性の影がない。ビームを差別する事なく接する英国人お嬢様にもその優しさにだけ敬意を表している印象だ。

 そういう下世話だけではなく、インドの部族のプライドも伝わる。

興奮の3時間が眼と胸に焼き付く『RRR』🚩2⃣ゴーンド族がキーワード - アジア映画巡礼

 部族のプライドに、耐え難き憤怒の力が加わって二人の"兄弟"は神の化身となり、英国軍を殲滅する。もう神がかっているので弓矢が銃撃に勝つ。コテコテのカタルシス

 てんこ盛りのCG、やたらのスローモーションとそれに反してダンスシーンになるとスピードが上がる、ボルトアクションのエンフィールド銃が時に都合でオートアクションになるなどまぁ色々とあるが、インドカレー大盛りのカツ全部載せといった感じで目くじら立てずに楽しむのが正しい鑑賞法だろう。