映画和日乗

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「スパニッシュ・アパートメント」監督セドリック・クラピッシュ at 三宮アサヒシネマ

 パリに住む25歳のグザヴィエ青年(ロマン・デュリス)は、就職の必要上、スペインはバルセロナに1年留学することになる。
真面目だが鷹揚で世間知らずなグザヴィエ君は、EU連合が企画した「エラスムス」なる交換留学制度によって、ヨーロッパ各国から集まった留学生達と、一つ屋根の下に暮らし、異文化対立、差別、そして恋愛に明け暮れる…という青春真っ盛りなお話。
もう久しぶりの「青春えいがー!」という匂いが嬉しかった。「ヒポクラテスたち」('80)を想い出すまでもなく、古今東西、青春の日々はかくも甘く、時に苦く、切ない。
 それにしても、英国からの女子留学生の弟が、バカで無神経なアメリカ人。そしてこの英国女、恋人がいるにも拘らず「カラダだけの付き合い」でこれまたオツムの軽いアメリカ人と浮気する。このアメリカ人に真面目に怒りをぶつけるドイツ人、軽蔑しつつしょうがねえなと手助けするフランス人とイタリア人…2001年製作のこの映画、その後のイラクをめぐる国際情勢を見事に物語っている。お勧め。

スパニッシュ・アパートメント [DVD]

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